HOME  >  コラム  心の風景  >  定番が定番でなくなるとき

心の風景

Vol.31 定番が定番でなくなるとき

(このブログはNANBANプレス44号に掲載されたコラムを再編集したものです。)

定番が定番でなくなるとき
シュー、ロール、プリンは洋菓子における定番中の定番商品であります。
これを、玄関先商品といい、とにかくこの商品を店先に出していれば、お客様に来ていただけるし、その集客力が、ほかの商品を購入していただくきっかけになっていました。 しかし最近、動きが少し変わってきたことを感じておられないでしょうか。ロール、シュー、プリンの集客力が落ちてきたことの事実です。やはりコンビニや、それぞれのお店が同じ仕掛けをやっていると、そこのお店の魅力が薄まってくるのは当然といえます。
先日ある集まりがあり、神戸でお弁当屋さんを展開されているお店のオーナーと同席になりました。その時、出店される時の立地条件は何をポイントにされますかと尋ねてみますと、即座にコンビニの近くがいいですと答えられました。
何故なら、コンビニがお店を作る時の立地条件のリサーチは、非常にお金をかけて行われ、好立地をプロが見つけます、ですから私は出来る限りコンビニの近くで出します。コンビニにも沢山弁当が売っていますけど、そう問いかけますと「いやいや」こっちは目の前で、米を炊いたり、から揚げを揚げていますから。お客様の待ち時間に、コンビニでも行ってもらったほうがお客様も退屈しないでしょう。
 さりげない会話ではありましたが、ある意味、専門店のコンビニ対策の秘訣があるような気がいたしました。

売れ筋主力商品
売れ筋商品とはお店にとって一番柱となる商品です、遠方へも送ることが出来、生産効率も高い、いわばそのお店の利益の源です。玄関先商品で集客をして、そして主力商品を買っていただくこの流れだと思います。
世の中の変化だとか、お客様の嗜好などにとらわれず、(甘さへの変化の対応はあるかもしれませんが)このお店が生き抜いていくうえで、この商品ははずせない、主張したい商品です。又この商品を売りぬくために、玄関先商品があると言っても過言ではありません。

絶対鮮度の時代へ
最近ではオープンキッチンは一般的なものとなってきました、しかし本来のオープンキッチンの意味は、そこで作った商品をその場で売るスタイルだと思います、しかし、現実的にはそのような非効率的なことは出来ないことは分かっていますが、只見せているだけでは、お客様は満足できなくなってきているのではないでしょうか。
今のお客様が求めているものは、絶対的な鮮度感だと思います。この鮮度感とは何といっても目の前で生地を作り、目の前で焼く、そして湯気の出るような商品をお客様の目の前でさばき、販売する。その場で作りますから、焼成時間もお客様に案内告知します。当然一度に焼成できる数も限られます。そこで1人限定1個とし、その代わり、凄く値打ち感を上げて販売する。
これこそ絶対鮮度であり、専門店だからこそできる、醍醐味ではないでしょうか。

地産地消
今、さらに専門店に求められているのが、地産地消ではないかと思います。その地域しかない特産物を、加工アレンジして製品化する。そこで専門店は、地産地消にもう一手、加えて見てはと思います。それは特産物の実物とその特産物をアレンジしたお菓子を一緒に入れる。
例えばみかんが産地であれば、特産みかんジュースとオレンジケーキ。珈琲豆が産地であれば、特産珈琲豆使用カンコーヒーとコーヒーパウンドケーキ。卵が特産であれば、特産卵とその卵を使用したカステラのセット。受け取られたお客様は、この様なセットをいただくことにより、もう一歩深い喜びをもたれると思います。そのギフトを、特産地域のお店のオーナーが作っていることを、同時にお伝えすることにより、最高のギフトが誕生するのではないでしょうか。
今の時代のキーワードは
・地産地消
・五感による販売
・出来たて、作りたての、売り切り商品の販売
この要素をいかにお店に取り入れていくかではないでしょうか。

原点に帰る
合理的な売り方はコンビニまかせるとして、いかに絶対的な鮮度感をお客様に提供できるか考えてみたいものです。