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心の風景

Vol.42 この時代、専門店はいかに生き残るべきか

この時代、専門店はいかに生き残るべきか

(このブログはNANBANプレス57号に掲載されたコラムを再編集したものです。)

私は最近ガトーという雑誌に掲載しております「一生一品」という記事を書くため、日本における超繁盛店といわれるオーナーの方々との対談をしております。この経験は非常に多くのことに気づかされます。
長きにわたりトップとして生き続けておられる方のお話は貴重なお話ばかりです。そこには専門店が非常に難しい時代に入ったといわれる今、大きなヒントがあると思います。

超鮮度の時代へ
鮮度という言葉に何を感じられますか?
大方の方はお菓子の鮮度と思われると思います。しかし鮮度はお菓子に対しては勿論ではありますが、私はそうではないと思っております。鮮度とは全てお客様の立場が中心となります。お店に入った時そのお客様が感じられる全ての感覚です。味覚、嗅覚、視覚、触覚、聴覚この全てが絡み合ってお客様に快適さを感じ取って頂くことだと思います。
さて超鮮度とは何でしょうか?
皆さん昔を思い出して下さい。沢山の借金をしてお店を初めてオープンした時の気持ちを。従業員はパートさん2名、そして奥様は販売員兼製造補助、毎日寝る暇も惜しんで一生懸命お菓子を作り続け、奥様がそのお菓子を必死で売り続けた日々。お店はマンションの一角8坪くらい、厨房は12坪。私は紛れもなくこの原点こそが超鮮度だと思います。
超鮮度とは目の前でお菓子が作られていることが感じ取ることができるお店。そのお店の最高責任者が目の前にいる。そしてそのお菓子を販売する人はその最高責任者の奥様、目の前で作った先から売れていきますから鮮度は間違いなく良い、そのことを狭いお店ですからお客様にはすぐに感じ取ることができる。焼きたての焼き菓子をその最高責任者のオーナー自身から温かい状態での試食と商品の説明、奥様の気持ちの良い接客、まさしくこの姿は、皆様方がお店を出発させて、辿ってきた歴史であると思います。
生の製品の鮮度は1DAYや2DAYではなく0.1DAY 超鮮度であったと思います。
一生一品で対談している方々もこのスタートがあり、今日を築いておられます。
対談をしておりまして凄く感じることは、人間としての鮮度感を感じることです。年齢に関係なく絶えず挑戦し続ける気持ちが鮮度のある人であることだと思います。

店の鮮度はやはり生ケーキの力
人手不足で一番注意しなければいけないことは、生ケーキが弱体するところだと思います。集客もギフトも全ての起点になるのは生のケーキの「しずる感」ではないでしょうか。種類は多くなくてもそこにお店の主張があると思います。
一番いけないことは、人手不足を理由に生ケーキの弱体化こそがお店が弱っていく最大の原因ではないでしょうか。
逆に焼き菓子は利益の源ではありますが、私は機械化や半製品をうまく使って手離れを行い、一番人の手をかけるべきはお店の生ケーキであると思います

「一生一品」の対談を通して、お店を拝見させて頂くと、店は立派になり従業員の数も沢山になられても、お店自体は最初にオープンした時と同じ超鮮度感を感じる工夫と努力をやり続けておられることです。

今年の七洋のテーマは焼き菓子の更なる機械化と、半製品による人手不足の解消です。 社員一丸となって今年も頑張ります。皆様方のご健闘をお祈りいたします。