Vol.36
お店の存在理由

私は戦争体験はありませんが、母などの話を聞くと、日本は何もない焼け野原から、半世紀も経たないうちに、世界でも屈指の経済大国になりました。もし日本人が、周りは海に囲まれて、資源が何もないから駄目だと発想していたら、今の日本の姿はなかったでしょう。資源が少ない為、外国から資源を輸入して、製品をつくり、外国に輸出する加工貿易を中心に発展させようという前向きに生きていく姿勢があればこそ、この奇跡の発展を成し遂げたと思います

原点に返る

企業や家業を0あるいはマイナスからつくり上げてきた人は、不可能を可能にする努力をされてきたはずです。振り返って見れば、そのときに大切なことは現状の掌握です。開店当初はもともと何も失うものが無いわけですから、現状の掌握は簡単でした。そして、やらなければいけないことを、寝食を忘れてやり続け、その結果が現在に至っていると言えます。時代が大きく変わろうとしている今、もう一度原点に返り自分自身がやってきた軌跡を思い起こし、「自分のお店の存在理由」を考えるときではないでしょうか。

お店の存在理由

なんだか哲学的言葉になりますが、大きな壁にぶつかったとき、このことを再度考えることが、今後の戦略を立てる上で必要ではないでしょうか。「なぜこの店を作ったのか」「何が喜ばれてお客様の支持を得たのか」「お客様は何を期待しているのか」「地域における店の位置づけは何か」私の知る限り超繁盛店は、流行に左右されることなく、ぶれていないと言うか、お店の立ち位置が明快に伝わってきます。結局お店はそのオーナーの生き様そのものです、消費税やコンビニの脅威など色々ありますが、もっと今までやられたことに自信と誇りを持たれるべきではないでしょうか。

集客力

お店にとって、一番大切なことは集客力です。お店の衰退は客数の減少から始まります。あなたのお店の集客商品は何点ありますか? これは素朴な質問です。新しい集客商品を開発しましたか? お客様に集客商品を五感を使って解りやすくお伝えしていますか? この商品を切らすことなく、お客様に販売し続ける生産力をお持ちですか? そしてお客様に対して、最大のエッセンス「おもてなし」はできているでしょうか。こういったことを絶えず考え、磨き込んでいくことが、お店としての立ち位置を狂わさないことになっていくと思います。そういった意味で「原点に返る気持ち」と「自分のお店の存在理由を考える」、こういったことはとても大切だと思います。

人手不足の打開策は

大手居酒屋チェーン「ワタミ」が人手不足の為、2014年度中に全店舗の1割にあたる60店舗を閉店する。このことは対岸の火事ではなく、本当に深刻な問題です。
リムジンの1号機は台湾でした。搬入に私も立ち会い4日間ほど厨房の中で仕事をしておりました。そのとき、台湾製のデポジッターが目に留まりじっくり見てみますと、非常に頑丈でトンネルオーブンの前で大活躍をしています。納品先の社長に、このデポジッター調子はどうですかと聞きますと、もう3年使っているが、故障もなく生地もきちっと絞れて、掃除も簡単だからとてもいいよという話でした。そこへ偶然にもデポジッターをつくられている社長が来られるという出会いでした。そこから会社に訪問したり、また我社に来られたりして、安全性の強化やパネル表示の変更、メンテナンスについての体制づくりを行いました。本体を大量購入することによる仕入れ金額の軽減で、非常に低価格で販売しております。集客商品であるシューやエクレア、そしてシートを技術を持った職人のように絞ってくれますし、何と言ってもギフト性の高い板バームを、システム的につくります。
専門店にとって最大の懸案事項である人手不足の打開策は、バッケンやスチームラックとデポジッターとの「合わせ技」が大きな効果をもたらすと確信いたしております。今回添付いたしましたDVDをぜひ、ご覧ください。
台湾は非常に親日の国です。何といっても2011年3月11日東日本大震災のときに240億円という義援金をこれは諸外国の中で一番高額な寄付をしてくれた国です。台湾に行った折、お礼を申したところ「私たち一人一人の一日分の給料を、台湾の人皆で義援金にしたんですよ」と笑顔で話されたことが忘れられません。
飛行機がチャンギ国際空港に向かい降下を始めました、明日からシンガポールで展示会です。東南アジアは暑そうです。皆様方のご健闘をお祈りいたします。

(このブログはNANBANプレス50号に掲載されたコラムを再編集したものです。)

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