Vol.45
顧客の創造

新しい元号令和になり初めてのプレスです。諸外国、特にアジア地域を回ることが多い私は、日本とアジアの国々との違いは(タイ以外)国民の平均年齢が20代であるということだと思います。働く人も、商品を購買する人も、その中心が若者であるということです。

ちなみに日本の平均年齢45・97才これは世界一の高さです。若者の数と熟年者の数が逆転してしまった、ここに大きな問題があります。そして、この人口の構造は改善しようがないことも事実です。一人の高卒就職希望者に約20倍の求人の募集がある時代、そういった状況でも高齢者や外国の労働者を採用しながら、質の高い商品を製造していかなければなりません。深刻な人手不足を次世代の後継者はこの現実と立ち向かっていく心構えが必要だと思います。

悩める年商1億以上の専門店

店を始めて誰もが最初に年商1億を目指します。しかしそれを達成してその先の発展は、どのように描いていこうか?後継者に店を継がせたい、しかし現在の様な人手不足を考えると、本当に後継者に後を継がせていいものであろうか?

ある有力専門店の方と話していると、色々な商品のアイデアはあるけれど、もしその製品が本当に当たって売れたら、とてもこの中途半端な設備、中途半端な広さではこの話を進めることができないそこが悩みだよ。まさしく商品を製造販売するということは「売れる喜びがあれば、作る苦しみもある」このことがいつも背中合わせになっていることも事実です。菓子店の勝ちパターンは、店で販売するデーリー的な製品で集客して、そして地域とオーナーの個性で名物主力単品を作り販売していくこと。その主力単品製品が量産化出来てあまり人手がかからないこと。利益の源はこれに尽きると思います。

リムジンの開発と量産化

弊社では、中規模大手向けにバッケンの焼成能力を兼ね備えたトンネルオーブンを作ろうというスローガンに基づき研究開発して、リムジンを製作して参りました。お陰様でリムジンは後発ではありますが大変好評で発売して6年で48台の納品実績ができました。日本国内はもとより、オランダ、オーストラリア、中国、インドネシア、台湾などの諸外国にも納品させていただいております。リムジンは中規模大手向きのオーブンであることは間違いありません。リムジンの特長はバッケンのように上火と下火が同じようにあることです。焼成の仕方は一つ一つ製品を入れて一つ一つ出てくる流れる様な生産方式のため、焼成から包装までを最少の人数で製造することが可能です。ラックオーブンの様に一度にたくさん入れて一度にたくさん出てくるバッチ方式とは違い、人手のかかり方が少なくて済むことも間違いありません。しかしこの方式には長所と欠点があります。ラックオーブンの最大の長所は設置スペースが非常に小さいことであり、逆にトンネル最大の欠点は非常に広い厨房スペースが必要なことです。

今回の東京ビックサイトで開催されるフーマにおいてこの問題を克服することができるダブルデッカー(ロンドンを走る二階建てバス)のお披露目をいたします。上火と下火を持ち生地入れと生地出しが同じ場所になるため人も最小ですみます。もしかしたら、デッキやラックオーブンを4~5台ご使用の専門店でも導入可能な大きさであると思います。ダブルデッカーによるトンネルオーブンの進化を是非ご覧ください。

顧客の創造

新しい製品を作ることは、沢山のコストと深い探究心が必要です。しかし、新商品には必ずそれにまつわる新しい顧客が生まれます。商売の原点はこの絶えず行う顧客の創造これに尽きるのではないかと考えます。このプレスに掲載しております誌上南蛮塾もそのようなお客様の顧客の創造に繋がることができればと願っております。7月のフーマぜひお越しください。皆様方のご健闘をお祈りいたします。

(このブログはNANBANプレス60号に掲載されたコラムを再編集したものです。)

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