Vol.51
お菓子の素カンパニー

弊社は昨年の12月25日、創業50年の節目を迎えることができました。
これもひとえにお客様、取引業者様のお陰であると、従業員一同感謝いたしております。

お菓子の素カンパニー

ここで皆様方に七洋製作所から「お菓子の素カンパニー七洋製作所」と呼び方を変更いたしましたことを、お伝えいたします。現在オーブン全般機種の設計製造から冷凍生地製造そしてOEM製造、どら焼き製造機のようなお菓子全般の機械の設計製造、またリムジンの前後装置の開発、テクニカルによる商品開発、さらに福岡本社、東京支店、大阪支店、名古屋営業所にラボ(南蛮塾)を置き、在籍しているテクニカルによる技術指導を実施いたしております。このような事業全般の社業に対して、七洋製作所だけでは表現しきれず「お菓子の素カンパニー」を頭に付けるようにいたしました。今後は「お菓子の素カンパニー 七洋製作所」とお呼びください。お客様への下支えをさらに、強固なものにする覚悟でおります。

昔の成功体験が仇になる

今から20年前の労働力は菓子店にとって修業という、独立を目指す若者により成り立っておりました。当時は洋菓子店の新規独立も大変多く、その野心と夢を持った若者は意欲的に時間も気にせず、懸命に自分の店を持つ為に働きました。この労働力は店のオーナーにとって多大な力になっておりました。
ところが時代が変わり、2020年からの働き方改革により、労働時間の短縮や残業代の明確化、同一賃金同一労働の実施が始まりました。また少子高齢化により独立を目指す方々の減少など労働環境の変化は様変わりしたといえます。今まで当たり前であったオーナー自身が体験したような人使いをすればそれが仇になる時代といえます。

もう一度お菓子の生産原価を見直す

新製品スチコンRENによる、「店の中に店をつくる」提案を今回モバックショウではいたしております。焼成品目は弊社冷凍生地を使用しております。目的は何か、それはお菓子の生産原価は材料費+工程人件費であることを明確に表現しお伝えしたいと思っているからです。例えばシューの生地を例にとってみますと、この生地を作る段階において誰がどれだけの時間をかけて製造したのか、オーナーの時給とパートさんの時給とは明らかに違いますし、だれが作り時間がどれくらいかかったかを出すことはなかなか難しいといえます。ところが冷凍生地であれば原価が決まっており、そこからオーブンで焼成するだけですから製造原価は非常に明確になります。私は専門店の原価の出し方をまずはここから始めるべきだと思っております。これは弊社の生地を使って下さいということではなく、商品の材料費は計算しても、工程人件費を計算しない専門店のオーナーが多くおられるからです。
修業という無尽蔵な労働力があった時代から間違いなく大きな変革が来たことを意識していただきたいと考えております。

再度[店の中に店をつくる提案]

私はたくさんの繁盛提案を色々なお店と行ってきましたが、やはり究極「店の中に店をつくる」この考えこそが一番効果があったと感じております。
今回のモバックショウでは新機種スチコンRENを使用して、お店の死に場所にお店をつくる提案を再度いたしております。お店の死に場所が五感「見る、匂い、音、活気、触れる」を発することができれば必ずお店は変わると確信いたしております。ぜひ「店の中に店をつくる」この提案をご覧ください。
また今回出展します新機種としては、全自動どら焼き機、スーパーバッケン、新ECOバッケンなど多くの新機種を出品いたします。従業員一同お待ちいたしております。

潮目を見る

この言葉は、時代の移り変わりを誰よりも早く掴み取り、時代と同調しながら、お店の個性を出していくことだと思います。それには自分が正しいと思っていた考えを180度変える努力が必要かもしれません。言葉では簡単ですが中々難しいことです。しかし継続して繁盛していかれるお店を見ておりますと「潮目を見る」を着実に実行されている方々であると思います。
進化論を考えたダーウィンの名言「生き残る種とは、最も強いものではない。最も知的なものでもない。それは、変化に最もよく適応したものである。」

皆様方のご健闘をお祈りいたします。
羽田から福岡への飛行機の機内にて

(このブログはNANBANプレス66号に掲載されたコラムを再編集したものです。)

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