Vol.2
客数と利益

先日のことです、内山さん我社もやっと今期利益が出ました、と言うお話を非常に嬉しそうにIさんが話されました。
私も意外だったのですが、Iさんのお店は年商規模でいいますと1店舗で2億までいこうとする、超繁盛店のお店のオーナーです。そのお店は立地が悪く、店舗の販売スペースも8坪しかなくその為に、お客様の接点づくりにシューの皮を焼きたてで、カスター100g以上入れて1個105円と言う非常に値打ちな集客商品として、お客様の層を広めていきました。客単価は低いけれども、客数は非常に多いお店です。
しかし、いくら頑張っても圧倒的に生ケーキ中心で、主力商品がシューということもあり、製造スタッフが増えることによる設備の強化と、厨房スペースの拡張を余儀なくされてきました。売上げは上がっても材料費や人件費、その他固定費が売上げと一緒に上昇していき、Iさん曰く自分の給料は出るが、いくら頑張っても会社にお金が残らない、こういった状況だったのです。

利益が出ない原因

不思議なことではありますが、洋菓子専門店で意外と多いのが年商1億5千万前後のお店で、売上げはあり、客数も多いが本当に利益が出ていないお店が多い事は事実かもしれません。
そこで私なりに分析してみますと、年商1億から1億5千万のお店の生(プチガトー)の迫力は非常に力があり、生の力でお客様を集客している店がほとんどです。
これは非常に大事なことではあります。しかしそれを維持させるためには、人海戦術しかなく売上げが上がれば、それに比例して固定費も上昇していく仕組みになっています。
売上げと固定費のおっかけあい、これではいくら売上げが上がっても利益は出ません。

客数それはお店の原動力

ただ、そのスタイルのお店の最大の強みは客数が多いことです、客数こそが今後の店の大きな飛躍の鍵になることは間違いないといえます。
しかし、客数が飛躍の鍵になることを知りながら、何の策もなく日々に追われる現状があることも事実です。
Iさんに私は聞きました「何が変わって利益が出たんですか?」
「マルシェ、これを内山さんが提案してくれて本当に焼き菓子が売れ出したんですよ」
この言葉はIさんが言われたそのままの言葉です。
今迄8坪の店舗スペースでは、焼き菓子ギフトは売れない、焼き菓子ギフトを売るためには、それなりの店舗スペースとお店の風格が必要だといわれてきました。何故か、ギフトはただ商品を並べるのではなく、広いスペースの中で売りたい一品に対して(季節提案、中身提案、食べ方提案、持ち帰り提案)この四つの明確な提案が必要となります、そして、その事をお客様に分かり易く見せる事が重要なポイントになるからです。確かにIさんのお店では、店が狭いということもありギフトは生ケースの上に並べてあるだけで、これではお客様はシュークリームや小物のケーキは買いますが、客数が多くとも焼き菓子やギフトには気づかないことになっていたわけです。

マルシェの可能性

マルシェとは、焼き立ての臨場感をお客様に接近戦で見せながら、焼き菓子のデコレーション提案ができ(上記に書きました四つの提案を明確にするスペース)同時に単品の焼き立て菓子や、焼き菓子バラのデーリーを販売するスペースの事です。
Iさんのお店は、店舗が狭いために厨房が非常にお客様に近く、ギフトの商品を作っているところが明確に伝わり、まさにマルシェの狙いである、焼き菓子の四つの提案プラス臨場感というマルシェスペースができあがりました。
こうなると、元々客数は非常に多いいお店ですから、お客様の1割でも焼き菓子を買って頂ければ、飛躍的に焼き菓子の割合が伸びるという形が出来上がり、そして客単価が上昇し利益率も上がり決算でよい数字が出ることになりました。
私共の大切なお客様である洋菓子店、和菓子店の皆様方が繁盛し続ける。このテーマは我社の永遠のテーマです、その為には利益を上げる仕組みづくりこれは非常に大切なことだと思っております。
今回東京で開催されますモバックショウでは、更に磨きをかけた「こうしたら焼き菓子が売れる」このテーマにそって今回のブースを仕上げております。時期的にご多忙中とは思いますが是非、皆様方のご来場を社員一同心よりお待ち致しております。

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