Vol.25
年商3千万の壁

菓子専門店をやっておられるお店にとって、一店舗で年商3千万をいつの時点で破る事ができるか、大きなポイントです。その数字は独立された方が最初に経験する非常に高いハードルです。
売上げが固まると言う話があります。これは商売をやっているうえで非常に恐ろしい事です。まして年商3千万前で売上げが固まって、何年間もこの状況が続く、時代が何も変わらなければ、なんとか地道にやっていこうと言う考えもありました。しかし今回のような、原材料の高騰やバター不足、こういう時代背景がくれば、この売上げでは成り立たなくなる、この現実を直視しなければいけないという事です。

年商500万の和菓子店の奮起

2年前、南蛮会を行いその時、和菓子店の2代目さんが出席されていました。会の後、そのお店にお伺いしたところ、お店は非常に寂れた状態であり、古い南蛮窯が店先に置いてあり、南蛮はお父様から譲り受けたということでした。現在の売上げを聞きますと、平日の売上げが1万〜1.5万、家族で何とか食べていくぎりぎりの状態であるということでした。
売れない理由の中で、店が古い汚いと言う言葉を何度もご主人が話されます。店舗を綺麗に改装する金額を業者に見積もってもらったら、1千万〜1.5千万かかると言う事だそうです。私は、ご主人にお店が綺麗になったら売れる自信がありますかと尋ねましたところ、それはやってみないと分からないという返事。その言葉の中にはとてもじゃないが改装費はそんなに捻出できない、あきらめの気持ちも入っていました。
そこで私は真剣に、集客の必要性、その為の商品構成、現状で出来る店舗の造り方を話し、WINオーブンとマルシェ台を導入して頂きました。暗い店にWINとマルシェ台の明るさは、凄い変革になりました。今まで製造していなかった、若者向けの集客商品やマルシェ台による季節提案とギフト提案が始まりました。集客商品により客数が増加し、客数が増える事により既存の商品も売れるようになりました、何よりもご主人と奥様の考え方が変わった事が大きなポイントであります。
導入前はジリ貧だった年商500万が、今年の9月で導入後2年目を迎えますが、現在年商2000万に迫る勢いの店に変わりました。人を増やさずこの売上げの上昇ですから、本当に忙しくされています。今後はこの勢いでまだまだ上を目指されていくと思います。

自分の店舗の見方

私自身常々心がけていますのは、お客様のところに伺うときは、厨房からではなく、必ずお店から入る事です。正面からお店に入り、奥様や店員の方のお客様を向かい入れる表情から、お店のクレンリネス、季節感、商品構成、一番売りたいものが明確に表現されているか、死に場所は無いか、あげればまだ沢山ありますが、こんな見方で何十年もかけて何千件も見ていると、繁盛と言うのはある一定の法則のようなものがあることに気づきます。皆さんもご経験があると思いますが「自分の事は分からないが、他人の事はよく分かる」この言葉どおりです。そして判りやすくお客様に説明していき、悪いところを改善して行きます。
今回の材料高騰やバター不足は、とても大きな問題ではあります。その打開策は粗利の高い商品を売り、売上げを上げる事しかないと思います。
難しい事ではありますが、これを実践するしかない事も事実です。方法はあります。
全国で開催しております、南蛮会是非ご参加下さい。我社の営業マンが自分の足で稼いだ、生の情報をお伝えいたします。きっとその中に、求めている答えがあります。
新幹線が博多に近くなりました。週末の夜の新幹線は、疲れた出張帰りの人達でいっぱいです。
私の好きな言葉を贈ります。
百聞は一見に如かず。百見は一行動には勝らず。
(百回文章を読んでも、一回見ることには勝てない。百回見ることをしても一回の行動には勝てない。)

(このブログはNANBANプレス37号に掲載されたコラムを再編集したものです。)

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