Vol.1
眠りは小さな死、目覚めは小さな誕生

三嶋社長との出会い

三嶋社長、マダムそしてスタッフの方々25周年おめでとうございます、
心よりお喜び申し上げます。
「こらー何しにきた」、この言葉が三嶋社長と私の最初の出会いの言葉です。
今から22年前旧店舗の16区のオーブンは、私共のオーブンではなく他社の2枚差し2段1台しかありませんでした。どうしても窯の口数が足らず、かといって場所もない、その為、他社の窯の上に1段の南蛮窯を乗せるということになりました。
亡父と三嶋社長が何か意見の行き違いでご立腹の時、私が初めて16区にお伺いしたわけです。実際に御使用して頂くと、南蛮窯の品質の高さには非常に喜んで頂き、特に密閉性の凄さは顕著に主力商品であるダックワーズやスポンジやスフレに対して影響を及ぼすことに驚かれました。
まさに、南蛮窯が超一流のパテシエに認められ、バッケンが生まれるきっかけとなった瞬間であったと思います。
父が亡くなったときは、父の葬儀委員長をやって頂き、壇上で語って頂きました父への心温まる回想と、話しながら涙を流された姿は今でも私の心に深く残っておりますし、感謝を致しております。
16区様の益々のご発展を心よりお祈り致しております。

お店の死に場所

この業界に入り、私自身25年近い月日が流れました。頭の中で思いをたどっていきますと、私がお伺いした店舗の数は、北海道から沖縄まで全国の洋菓子、和菓子、パン屋さんトータルしたら1万件近くになります。
その私の眼力で、色々な店舗の販売スペースを見ていきますと、必ず活かされてない場所(販売スペースの死に場所)があります。
中々売り上げが伸びないお店のオーナーの方々に共通することがあるとしたら、店の中で一番気にしているのはショーケースの中だけで、色々勉強はされますが、ショーケースの中をいくら変えても売り上げは変わらないと言う事と、実際にお客の立場になって、お店全体を見ていく事を考えなければ、店舗の死に場所は見つからないと言う事です。私は最近思うのですが、この死に場所を改善することが最大の繁盛への近道ではないかと思います。勿論、お菓子が美味しいことが大前提ではありますが。
売り場の中にこの活気のない場所(死に場所)があることにより、まるで大きな宇宙のブラックホールのように活気も繁盛もすべて持ち去っていく気が致します。

繁盛の証は「活気がある店舗」

コンビニエンスの店作りは、各社似ている事に気づきます。それは店舗の形の中で書籍のコーナーが道路に面している店舗が多いいと言う事です。
これは、誰もいないコンビニと、書籍のコーナーで立ち読みする人がいるコンビニとでは明らかに活気があり、客の立場ではそこに行って見ようかと思うきっかけになる事です。
要するに、繁盛の一つの証として「活気がある店舗」その事がここに集約されていると思います。

「もし」死に場所が→最大の活き場所に変わったら

お店の売り上げを上げることは、出店することが一番たやすいやり方です、しかしそれに伴う人の問題、家賃、設備、そして本店とのデリバリーこんな事を考えると中々採算がとれません。
もし店舗の中の死んだ場所に、出店する気持ちになるとしたら、人の問題、家賃の問題、デリバリー全て考えなくてよくなります。死んだ場所が活き場所へと変革する事により、私の経験によれば、まるで、店舗の中に新しいお店が出現したような流れができることです。死に場所と思っている場所を、活き場所に変えることに気づけば、そのお店の大きな飛躍につながる階段がそこにはあると思います。
店舗の死に場所は、どのような繁盛されているお店でも必ずあると思います、私も今まで、店舗の死に場所がまったくない店は見たことがありません。
面白いことに、店舗の死に場所は、お店を磨きこめば磨きこむほどに、新しい場所へと変化していくと言う事実がある事です。
我が社の営業スタッフがお伺いしたときには、是非お尋ねください。うちの店舗の中での死に場所はどこだいと、各スタッフが明確にお答えいたします。又そういう勉強は、絶えず行っております。

今東京のホテルの部屋でこの文章を書いております、夜が終わり朝になろうとしています。
ある本の一説に「眠りは小さな死、目覚めは小さな誕生」と言う言葉がありました、毎日こういった気持ちで過ごしていきたいものです。
今から一番忙しい時期に向かいます、くれぐれもご健康にはご注意してください。

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