Vol.12
経営者の心得

平成17年3月20日に起こりました、福岡西方沖地震の際には、全国から沢山のお見舞いのお電話や励ましのお手紙を頂き、有難う御座いました。
幸いにも、私共の会社は大きな被害は御座いませんでした。
社員を代表致しまして心よりお礼申し上げます。

人を育てると言う事は非常に難しい事だと思います。お店が成長していく段階の中で、まず第一歩は、自分の片腕となるべくスタッフを作る事が出来るかにかかってきますし、何かのきっかけで繁盛という扉が開いた時、お店がどんどんと繁盛していきスピードは一気に加速していきます。まさに売り上げに対して、人材も場所も設備も全てが不足していく状況になっていきます。

もしこの時点で、商品の品質のダウンや接客のレベルダウン、ましてや商品の欠品にとる最大のロスであるチャンスロスの発生、この様な事態が続けば、繁盛と言う波に乗せる事ができずに、ここが繁盛店とそうでないお店の分かれ道のような気が致します。どんなに忙しくなっても、品質を落とさず、品切れをせず、接客も高レベルで行える事。これは全てスタッフの方々の頑張りにかかってきます。そういう事を考えれば考えるほど人材の重要性と人を育てる事の必要性を感じますし、これはどのような会社を経営していく上でも一番大切な事であります。

インドネシア(平成17年4月26日〜29日)

インドネシアの首都ジャカルタに日本の財団法人があり、現地の18歳から22歳までの若者を日本に研修と言う形で送ってくれる学校に視察と面接に参りました。

日本からジャカルタまで飛行機で約8時間、ジャカルタで飛行機を乗り換え約30分、レンバンと云う町に向かいました。その訓練校では150名くらいの生徒さんが、一生懸命に日本語の勉強をやっておられ、スマトラ沖地震で家も家族も失った生徒さんもおられたりして、必死に自分の人生に立ち向かっている姿がヒシヒシと伝わります。

校舎の奥にある広い教室で選抜された15名の方と面接をおこないました。がちがちになっている生徒さんの緊張をほぐす為、一人一人に私が腕相撲をやり、緊張をほぐしたりもしました。
質問としてあなたの人生の中で一番嬉しかった事は何ですかと尋ねると、目を爛々と輝かせて「この訓練校に入れた事です」大きな声が返ってきました。
あなたの夢は何ですかと尋ねると「日本に行って七洋製作所に入り一生懸命仕事をして技術を身につける事です」彼らの真剣な顔と、何とかして日本に行きたい、そして技術を身につけてインドネシアの発展の為や両親の為に頑張りたいと云う気持ちが体全身から伝わってきます。

私の今回の面接の目的は、人件費が安いからと云う事ではないのです。逆に寮を作ったり外国人であるという手間や財団に支払うお金などを考えますと、コスト的に下らないと思います。しかし、上記でも書きました様に、働くという事に対して、本人が持っている情熱とやる気そして会社に対する忠誠心、こういった事が、一番大切であると思うからです。今年の秋から2名のインドネシア出身の社員が働く事になりますが、きっとこの二人が我社に新しい空気を入れてくれると期待致しております。弊社にこられた時は、この二人にも是非声をかけて下さい。

パリ(平成17年4月15日〜18日)会社の方向性の確認

2泊4日と言う強行軍ではありましたが、久しぶりにフランスのパリで行われましたユーロパン(製パン製菓機械展)に視察に参りました。パリの街は相変わらず活気があり、フォーションのお店のデコレーションの素晴らしさに改めて感動したり、今パリで話題の洋菓子専門店ピエールエルメの3坪の店内に、お客様が溢れ出しているように集まり売れているなと感心したり、ジェラールミロでは、洋菓子からパンそして惣菜と言った商品が店内にところせましと置かれていて、賑わいと臨場感そして日本の洋菓子店にはない「生活感」があったりだとか、久しぶりに行ったパリはいい刺激になりました。

ヨーロッパのオーブンの傾向としても、オーブンが少しずつカラフルになってきて、機能的でありながら、お店の販売促進の一環として動く傾向が出てきた気が致しました。
我社が提案しているカラーリングやスルーそしてマルシェ提案は間違っていないと確信致しましたし、逆に一歩進んでいる気が致しました。トップの仕事として、我社がやっている方針と世の中の流れがずれてないかの確認は非常に大切な仕事だと思っております。トップとして大切な事は、人材を人財として育成していく気持ちと、会社の方向性の正しい舵取りではないかと思っております。

山本五十六の言葉

新潟の長岡の居酒屋に立ち寄った際、そこのご主人に、ここは山本五十六の出身地ですねと話しかけたところ、そこのご主人が大の五十六ファンで帰り際にこの文章を記した紙をくれました。この言葉があまりにも良かったものですから最後に書き記します。

「男の修行」
苦しいこともあるだろう
云いたいこともあるだろう
不満なこともあるだろう
腹の立つこともあるだろう
泣きたいこともあるだろう
これらをじっとこらえて行くのが男の修行である

山本五十六

(このブログはNANBANプレス28号に掲載されたコラムです。)

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