スーパーバッケン

攻める→変える

クオリティを攻める、時代を変える

理想の焼成を実現した「南蛮窯バッケン」

右のマークは七洋製作所がつくったオーブン1号機に付けられたエンブレムです。あれから半世紀、私ども七洋製作所は理想の焼成を実現するために究極の“密閉性”を追求し続け「南蛮窯バッケン」を誕生させました。生地を浮かし、しとらせ、口どけよく焼き上げる、こうした焼成の評価概念をつくり出したのも「南蛮窯バッケン」でした。

次世代パワーオーブン
「スーパーバッケン」の挑戦

時代はスピードを上げて変化しています。菓子のクオリティにも新たなレベルが求められるでしょう。七洋製作所は磨き上げた伝統の“密閉性”に火力の“パワー”を合わせるという新たな挑戦により、今までどこにもなかった次世代のパワーオーブンを生み出しました。
次世代パワーオーブン「スーパーバッケン」は菓子のクオリティを攻め、時代を変えていきます。

次世代パワーオーブンの条件

パワー×密閉性
そして、テクノロジー

  • 常識を覆し時代を変える
    「パワー」と「システム」

    「スーパーバッケン」は従来に比べて“火力を30%アップ”しました。これによりオーブンの立ち上がりが早く炉内はすぐに適正な焼成環境が得られ、連続焼成にもオーブンが負けません。さらに蒸気発生装置(オプション)の搭載も可能で、“火力30%アップ”との融合により、より目の細かい豊富な蒸気をつくり高品質なパンを焼成します。また、新機能“下火リセットシステム”により、連続焼成した場合でも下火の温度が上火に影響されず、適正な温度で焼成ができるようになりました。下火の上昇を職人の勘で調整することをなくし、固定窯の永遠のテーマであった“下火温度の安定”を実現しました。
    〈パワーアップのキーワード〉
    火力30%アップ/蒸気発生装置/下火リセットシステム

  • 焼密閉のDNAを確実に継ぐ

    南蛮窯バッケン」は精度に挑み続け、石窯をはるかに超える蓄熱性を実現しました。この安定した炉内があるからこそ安定した焼成が得られるのです。「南蛮窯バッケン」は特殊炉内構造により熱を逃がさない鉄壁の“守り”を誇る理想のオーブンです。「スーパーバッケン」はこの密閉のDNAを確実に受け継いでいます。この炉内環境だからこそ次世代機能の「パワー」と「システム」による、さらなる“攻めの焼成”が実現できるのです。“パワー×密閉性”がつくり出す新たな時代の焼成の始まりです。
    〈密閉のキーワード〉
    石窯をはるかに超える蓄熱性/
    焼成は守りながら攻める新たなステージへ

  • コンピュータテクノロジーによる
    使いやすさと手離れ

    「スーパーバッケン」の使いやすさは進化しています。“パワー×密閉性”が見せる新たな時代の焼成レベルを誰もが使いこなせるのです。ハイクオリティな菓子を誰でも焼けることがこれからは時代の日常となります。人手不足に対応するための“守り”の手離れではなく、ハイクオリティな菓子をどんどん焼成し販売する“攻め”の手離れに「スーパーバッケン」はスーパーパワーを発揮します。
    〈テクノロジーのキーワード〉
    コンピューターテクノロジーも次世代/“攻め”の手離れ

常識を覆し時代を変える
「パワー」と「システム」

火力が30%アップ(当社比)次世代機能

(当社測定比)

オーブンの立ち上がりが早い

「スーパーバッケン」の火力30%パワーアップにより、立ち上がりが早くなりました。従来のオーブンでは上下設定温度が200℃になるまでに31分かかるところ、スーパーバッケンは22分40秒で立ち上がり、窯伸びがよく浮きのいい商品を焼成できます。(当社測定値)

2段 10kW→15kW
3段 15kW→20kW

連続焼成しても炉内温度が下がらず窯が負けない

オーブンの扉を開けて焼けた商品を取り出して次の生地を入れると、炉内の温度は一気に下がります。しかし「スーパーバッケン」の炉内は、パワーアップした火力と高い密閉性により速やかに適正な焼成温度に復帰します。このため、連続焼成しても窯が負けず、長時間の焼成でも焼き上がりは均一で安定しています。

〈キーワード〉

  • 浮きが違う
  • 焼きが違う
  • 焼成時間短縮
  • 追いかけるように商品を焼く
  • 窯伸び

炉内の大きな蓄熱により蒸気発生装置を装備(オプション)

ソフトフランスも見事に焼ける

「スーパーバッケン」は“火力30%アップ”と融合させる、蒸気発生装置(オプション)を搭載することが可能です。「スーパーバッケン」のパワーアップによる大きな熱溜まりによって多量の蒸気を発生させるため、高品質のパンが焼けます。特にソフトフランス※は新たな顧客を菓子店に呼ぶキラーメニューになるでしょう。
※「ソフトフランス」は、弊社オリジナル製のパンミックス粉「パン・オ・パッション」で焼く、菓子店様用の新しい切り口を持ったパンです。

下火リセットシステム次世代機能

操作パネル上部のリセットボタンを押すと作動
下火に空気を送り込む

“下火は上火の影響を受ける”という
今までの固定観念を壊す

固定窯の魅力はその密閉性と上火と下火のバランスが生み出す浮きのよい繊細な焼成にあります。これはラックオーブンやトンネルオーブンではできない固定窯ならではの焼成レベルです。しかし、固定窯は連続焼成すると下火の温度が上火の温度に影響されてどんどん上昇していきます。このため下火が上火の影響を受けないように空の天板を入れたり、天板を重ねて焼いたり、逆天板をすることで少し下火と離した位置で生地を焼いたり、今まで熱が溜まって上昇する下火のバランスを合わせるのが職人の勘でした。しかし、「スーパーバッケン」は長い間当たり前とされてきたこの“下火は上火の影響を受ける”という固定観念を完全に壊します。

下火に空気を入れることにより
正確な温度管理が実現した

 今までは炉の中で下火は必ず上火の影響を受けました。従来、上火200℃、下火150℃に温度設定した場合、下火は必ず影響を受けて200℃近くまで上昇します。これは固定窯の構造上当たり前のこととされてきました。しかし「スーパーバッケン」は下火に新しい空気を入れる新システム“下火リセットシステム”を採用することによって、下火温度の上昇を抑えることに成功しました。
この画期的な新システムにより、炉内は連続焼成しても常に焼き始めの状態に戻り、絶えず同じ下火の安定した状態で焼き続けることができるのです。これからは職人の勘に頼ることなく焼成が完全にマニュアル化され、文字通り完全な焼成の手離れが実現できます。

密閉のDNAを確実に継ぐ

密閉こそオーブンの命。磨き込んだ技術こそ
安定したクオリティを未来へとつなぐ力。

精度に挑み続けた50年

七洋の第1号機に付けられた
エンブレム

その堅固なつくりは石窯を超えた

“精度に挑む”は七洋の社是です。精密さの度合いにまでこだわるオーブンづくりは、石窯の蓄熱性をはるかに超える炉内の安定した南蛮窯をつくり上げました。厚い扉の構造や特殊炉内構造は引き継がれてきた品質とプライドです。商品の出し入れに時間がかかっても素早く復帰し、放熱による熱量のロスが少ないため従来のオーブンよりも焼成時間が短縮し作業効率がアップします。

密閉のDNAと次世代機能がつくり出す
新たな時代の焼成

かつて南蛮窯の登場によって、日本の菓子の焼成レベルは新しい時代を迎えました。それほど南蛮窯の焼成レベルは画期的なものでした。密閉性の高さによる繊細な火の回りは美しく焼き上がった生地の表情を生み出し、生地にしっかりと水分を含ませた見事な焼成を見せたのです。そして、菓子の“浮き”、“しとり”、“口どけ”は菓子の新たな焼成の基準になりました。そして今、「スーパーバッケン」は“30%火力アップ”と“下火リセットシステム”という次世代機能を新たに開発装備し、新たな焼成レベルに向かって動き出しました。それは今までの常識を大きく覆すものです。密閉のDNAと次世代機能が新たな時代の焼成を力強くつくり出します。

強制排気能力を2倍に次世代機能

火力の30%アップにともない、
強制排気能力も2倍にアップ

菓子の焼成には高い気密性が重要ですが、炉内の息抜きも必要です。火力のパワーアップによって得られる熱だまりの力を、今までの2倍の力で強制排気し、“密閉”と“抜き”の絶妙な合わせ技を発揮します。

インバーター機能で繊細な排気コントロールができます(オプション)

インバーターにより微妙な抜きのコントロールができるため、より繊細な生地の焼成が可能になります。
インバーター機能はオプションでお付けします。

扉の両サイドにある開閉角度調整羽根(特許)により、常に一定の息抜きをした焼成ができます。3段階の角度調整ができますので、商品の種類によって最適な息抜きが選べます。

コンピューターテクノロジーによる
使いやすさと手離れ

菓子づくりの現場の要望を反映させた
誰もが使いこなせる高性能オーブンを実現。

菓子コード

50種類の菓子焼成データを記憶

“菓子コード”はジェノワーズ、シュー、クッキーなど50種類の菓子の焼成情報を記憶します。1つの菓子ごとに工程を9つまで記憶し、さらに工程の進行にともなう焼成時間、温度、火力、ダンパーの開閉などの情報も細かく正確に記憶します。

焼成中自動記憶システム(特許)

一度の手動運転で情報を記憶

焼成時間、焼成温度(上火・下火)、火力(荒火・軟火・極軟)、ダンパーの開閉(自然排気・強制排気)等の細かい情報の入力は極めて簡単です。データ入力しなくても一度手動で焼成することで記憶させることができます。このため誰もが長年培ってきた職人のレベルで焼成することができるのです。

全自動運転による
焼成の完全自動化

人手不足を解消する完全な手離れの実現

運転切換を“全自動”にして、焼成する菓子の“菓子コード”を選びスタートボタンを押すだけであとは焼き上がりを待つだけ。焼き上がりはブザーが知らせます。記憶されている設定情報により扉の開閉をすることなく完全オートマチックで焼成が進みます。

下火リセット

下火が上火の影響を受けない次世代機能

下火の温度は上火に強く影響を受けますが、“下火リセット”ボタンを押すと下火のまわりに空気を送り込んで温度を下げ、設定通りの下火温度をキープします。

自動ダンパー

2倍に機能強化された強制排気力

炉内の熱い水蒸気は自動ダンパーの自然排気と強制排気の選択によって、抜き方を変えることができます。機能強化された強制排気は熱い水蒸気をタイミングよく一気に抜くことができます。

菓子に合わせて3つの火を選択

  • 荒火
  • 軟火
  • 極軟

同じ焼成温度でも性質が違う火の力

菓子焼成の要素には温度と時間のほかに焼成する菓子に合った“火力の性質”を選ぶことが重要です。“荒火”はパンやクッキーに、“軟火”はジェノワーズ、スフレに、“極軟”は長い時間をかけて焼成したいメレンゲ菓子などに最適な火です。パイなど上火を“軟火”で包むように焼き、下火は“荒火”の力強さで層を浮かす、こんな絶妙な合わせ技もできるのです。

上火のブロック温度管理(特許)

上火を4つのブロックに分けて調整できます

万が一、若干のムラ火が起きた時には、上火を4つのブロックに分割し、基盤上で火のバランスを調整できるようにしました。

オハヨータイマー

各段ごとに時間と温度が設定できる

オーブンの立ち上げには30分前後が必要ですが、オハヨータイマーをセットしておけば、設定時間に設定した温度に立ち上がりますから、すぐに臨戦態勢に入れます。

芯温センサーによる焼成(オプション)

●芯温焼成とは…

今まで菓子の焼き上がりは焼成温度、焼成時間、焼き色などで判断していました。これを芯温センサーによって生地の中心温度を測ることにより、焼成工程における生地の変化を知り、焼き上がりを判断するシステムです。「スーパーバッケン」は3点芯温測定により正確な生地温度で焼成します。

●3点芯温測定

●プリン焼成もゼリー殺菌も全自動

プリンの微妙な生地温度を0.1℃単位でコントロールし全自動焼成します。
ゼリー殺菌を殺菌温度85℃で温度ムラなく完全に自動で行います。(特許)

プリンやゼリーはわずかな熱の入り方の違いで口どけのニュアンスは変わります。繊細な芯温焼成はプリンやゼリーに絶妙な食感を生み出し、ゼリー殺菌の工程も自動で行い人手をかけず安全に行います。

「スーパーバッケン」パワーインタビュー

パティシエ エス コヤマ
オーナーシェフ
小山 進

攻め続けることによって
「小山ロール」は変わった。

「小山ロールの進化は
バッケンの進化と
大きな関わり合いがあります。」

パティシエ エス コヤマ オーナーシェフ 小山 進

小山ロールのレシピは
開店当初とまったく変わっていない

パティシエ エス コヤマは2003年に開店しましたが、私は当時の「小山ロール」に大きな自信を持っていました。しかし、今の「小山ロール」の方がはるかにおいしくなりました。仕上がりは一回り大きくなり口どけもまったく違います。あまりにも浮きがよくなったものですから、巻き込んだクリームの量が少なく見えたのでしょう、クリームを減らしたのかというお客様の声もあってクリームを増やしました。焼き面も色合いがよくなり上品な趣を持っています。このように「小山ロール」は進化していますが、実はずっと同じレシピで焼いているのです。それでは何が変わったのか。「小山ロール」を焼成する「バッケン」も一緒に進化してきたのです。
四季によって湿度と気温が大きく違う条件の中、1日に1600本分を安定して焼成することは簡単ではありません。創業から現在に至るまで、私は気がついたテーマを七洋さんにお願いしてどんどん「バッケン」をバージョンアップしてもらいました。すると、できなかったことができるようになる。
人間はすごく欲深いもので一つのテーマをクリアすると、もっとできるんじゃないかと次の欲望が出てきます。そうなると同じ「小山ロール」のレシピであっても解釈が変わってきて、どん欲に「バッケン」と一緒に焼成のレベルを攻め続け、気が付くと今の「小山ロール」にたどり着いていました。
「小山ロール」に教えられたことは、レシピの解釈はオーブンとの付き合いの中から進化できる可能性を新しく見つけることができるということです。もし「バッケン」が進化しなかったならば、おそらく「小山ロール」はデビューの時のままだったと思います。

「小山ロール」と「バッケン」との対話が
「スーパーバッケン」を生み出した

「小山ロール」はすごく水分の多い難しい生地で、普通に考えたら絶対に焼けません。普通のロールケーキは薄ければ10数分で、分厚くても20分くらいで絶対に上がります。しかし「小山ロール」は35分かけなくては上がりません。生地内にある水分が細かな蒸気になって湯煎で焼くような状態をつくりながら、実際の温度の設定よりも5〜8℃くらい低い設定でじわじわと焼けていくのです。こうして“ふんわり、しっとり”とした「小山ロール」が焼き上がります。これを焼成できるのは「バッケン」しかありません。「バッケン」の密閉性とダンパーによる蒸気を抜くコントロールがこの難しい生地を見事に焼成してくれます。
しかし、私はさらなるレベルを求めました。“ふんわり、しっとり”を極めていくには気密性に加えて、蒸気を抜くタイミングと加減がとても重要だと分かりました。そこでこうした微妙な加減をなんとかできるようにしてもらえないかと、今から考えると結構めちゃくちゃなことを七洋さんにお願いしました。徐々にダンパーが開いていく感じが表現できたらもっと優しい「小山ロール」になる気がしたのです。
すると「バッケン」は強制排気能力を2倍にアップし、さらにインバーターによって細かく調整することができる優しいダンパーを持つオーブンに進化しました。
1日1600本を連続で焼いているとオーブンの復帰力がどうしても低下します。これも、“復帰ターボ”のようなものがつけられませんかとお願いしたら、30%の火力をアップした「バッケン」に進化しました。水分の多い生地を連続して焼成する場合、オーブンの火力がターボエンジンのようにグッと復帰することができれば、季節的なデメリットもメリットに変えられるかもしれません。
こうした「小山ロール」と「バッケン」との対話が「スーパーバッケン」を生み出す力となったのであればとても嬉しく思います。

パティシエ エス コヤマ
兵庫県三田市ゆりのき台
5丁目32-1

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