スタッフを守るための
環境づくりを

埼玉県和光市

アニバーサリー365

代表取締役社長

本橋 雅人 様

埼玉県和光市

アニバーサリー365

電話 048-424-3651

今回は、ウェディングケーキで有名な「アニバーサリー」様の新店舗にて本橋社長様よりお話をお伺いしました。

アニバーサリーの歴史

記念日だからこそ、本物の美味しさを味わっていただきたい。一生の記念日となるはずのウェディングケーキがなぜイミテーションなのか!と疑問を持ち、小さくても美味しい本物のケーキがいいという思いで1990年にアニバーサリーという店名のお店をオープンしました。
年間7000台以上のウェディングケーキを作っています。今ではウェディングのデザイナーズブランドとして最高位にランクされています。

アニバーサリー365のコンセプト

2016年に私が生まれ育った埼玉県和光市にアニバーサリー365をオープンしました。地元で作られたフルーツや野菜を農家の方と直接契約し、レストラン、スイーツショップで使用しています。
「365」とは365日毎日が記念日と言うコンセプト。そのお祝いのお手伝いができたらという思いを込めました。2階はキッチン付きのレンタルスペースになっており小さな結婚式、お誕生日会、会議、教室、同窓会等に使っていただけます。

現在の製造体制

在路面店が4店舗の他百貨店にも出店しています。製造に関しては1部(週休2日、8時間労働)2部(隔週2休、残業あり)と分けスタッフに選んでもらっています。
更に早稲田店にはスタッフの結婚、出産等によって自らの生活に合わせた、出勤日数や時間を自己申告で働くことができる拠点があります。主にアイシングクッキーや特別オーダーの人形、イベントの飾りを作っています。これは職人の時間を軽減することが目的です。

人手不足について

「人手不足」と「労働時間の短縮」という2つの問題から生産性が低下しています。売れないのではなく、作れない状態です。
「限られた時間内での物づくり」を行わなければなりません。大量生産可能な商品と限られた商品を分け、商品の線引きをすることが重要かと思います。
更に労働時間の改善のためには「職人の仕事」と「パートさんの仕事」を分けることも必要です。パートさんの仕事を作ることにより、職人の負担は減ります。そして、技術と機械の力をバランス良くしていくことが労働時間の改善になるのではないでしょうか。また時代の変化に合わせ、若手育成のためにもスタッフへの注意の仕方や言葉遣いには特に気を付けています。

スチームラックZEN・エコバッケンの導入について

早稲田店ではスチームラックZEN10枚差しを1台、札幌円山店ではバッケンを1台使っていました。今回は、エコバッケンフランス天板タテ3枚差し3段とスチームラックZEN10枚差しを導入しました。
バッケンは保温性が良く、窯の出し入れがあっても温度が下がらないので窯待ちのロスタイムがなく、労働時間の短縮・作業効率の向上につながっています。なによりしっとり焼き上がるので生ケーキ売れ筋の「和光ロール」のシートはバッケンで焼成していますし、またジェノワーズ、マドレーヌも中心に水分を残したいので抜群に良いです。強弱のオートダンパーがあり、水分を飛ばしたい生地も焼成できるので非常に魅力的です。エコ仕様なので電気の省力化にもなっています。
スチームラックZENでは、焼き菓子売れ筋の「ミルクラスク」やプリン、タルトの空焼、パイ、クッキー、マカロン、その他にシートなども焼成しています。「ミルクラスク」はスチームラックZENでフランス天板10枚分が一度に焼成でき、なおかつ炉内が回転し、均一にきれいに火が入るので本当に助かっています。
また早稲田店では竿ものギフトでスチームラックZENの高圧スチームを活かした「アンショコラ」を提供しています。
以前は海外のオーブンを使っていましたが、水分を飛ばす生地しか焼成できませんでした。しかし、バッケン・スチームラックはカリカリサクッと焼きたいものからしっとりソフトに焼きたいものまで幅広く対応してくれています。やはり窯の力は非常に重要です。

七洋冷凍生地の活用、パイシーターを導入していない!?

アニバーサリー365ではパイシーターを意図的に導入していません。
実はオープン時から七洋さんの冷凍生地のパイを使うつもりでした。前述したようにスタッフを守るためには、何かを引き算しなければなりません。パイは仕込むまでに時間がかりますし…。
そしてなにより、七洋さんの冷凍生地が美味しいということも決め手となりました。それでもやっぱり職人ですから、スタッフからは「パイシーターが欲しい」という声が上がっています(苦笑)。

今後の展望

隣にも敷地があるのでアニバーサリー365では厨房を広げ、もっと色々なお菓子を作りたいと思っています。
アニバーサリーは今までウェディングを柱としていました。そこでもう一つの柱としてこれからはギフトにも注力していきます。

材後記

 取材後、写真撮影のため店舗と厨房に案内して頂きました。そこには製造・販売スタッフ全員に笑顔で声をかける本橋社長様の姿がありました。今回は、機械化や冷凍生地のお話をメインで取材させて頂きましたが、取材中も言葉の節々から、本橋社長様のスタッフの方々への思いやりを非常に強く感じました。機械化や冷凍生地の活用だけではなく、オーナー様と従業員の方々との絆がこの時代を切り拓いていく一つのカギになるのではないでしょうか。

(株)七洋製作所 東京支店 営業
内山 聖仁

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