「普通ではない、
お店を目指します」

京都市左京区

一乗寺中谷

3代目

中林 英昭 恵子 様

京都市左京区

一乗寺中谷

電話 075-781-5504

京都の観光名所でもある、詩仙堂、八大神社一乗寺下り松の近くにございます、一乗寺中谷様にお話を伺いました。

倉掛  お店を創められて、どのくらいでしょうか?

中林  約80年です。私は3代目になります。

倉掛  和・洋菓子、そしてカフェスペースも充実していますね。

中林  もともとは和菓子だけでしたが、結婚してから、妻がパティシエールでしたので、是を機に洋菓子も始めていきました。ただ、普通の和洋菓子屋にはなりたくないと思っていましたし、和洋共に素材にはこだわり、和菓子屋・洋菓子屋・和洋コラボ屋・カフェ・食事と、1つのお店で様々な目的を持ったお客様に喜んでいただけることをモットーにしております。

倉掛  どのような商品がございますか?

中林  看板商品でもあります、「でっち羊かん」。一乗寺近辺の名物となっています。他にも、宮本武蔵の剣つばを型どった栗入りまんじゅうの「武蔵」や、丸いやわらかな羽二重餅に肉桂と柚を餡で包んだ「詩仙もち」。あとは、白餡と豆乳のスイーツ「絹ごし緑茶てぃらみす」です。この商品は、おかげさまでメディアに取り上げていただくことがあり、特に人気です。「3色お豆のタルト」は、和と洋のコラボ商品ということもあり、喜んでいただいております。

倉掛  2013年3月にリニューアルされましたが、どのようなきっかけだったのでしょうか?

中林  1番のきっかけは、厨房が手狭だと感じていたことです。原因は、建物の半分以上のスペースが喫茶だったことでした。観光シーズンとなれば、まだいいのですが、日常では、菓子を作っている厨房としては狭くかなり限界がありました。何か1つのことをしても、無理無駄が多く、スタッフにもストレスを感じさせてしまう厨房環境でした。そこで単に厨房だけを広げるのではなく、喫茶のあり方、商品の提案、そしてお店全体を見直すことを家族やスタッフと考えていきました。
喫茶は当時35席で座敷式。観光シーズンや週末には満席で並んでいただくことがありますが、今回の改装で席数は25席に減らし、全てテーブル席に変更しました。結果から言うと、食事の方は少なくなり、甘味を楽しんでいただく方が増えてきたため、厨房でも効率よく準備ができ、また、以前に比べお待たせする時間もぐっと短くなり、回転もよくなってきました。
喫茶スペースを減らすことで、厨房、ギフトの売場を広げることができ、また、いぶし金色のスルーオーブンでライブ感溢れる御菓子の焼成を見ていただくことができます。レジの横、売場中央にオーブンを設置しているため、買い物をしていただく方、カフェを利用される方、つまりお店に来られた皆様にご覧いただけます。このオーブンはお客様とコミュニケーションをとる大事な道具でもあります。1つ1つの御菓子のフェイスが変化する様子を五感で感じることができるため、お子様からご年配の方までが驚きまた感動されます。

倉掛  焼きたての商品は、いかがですか?

中林  パイ大福が1番人気です。私どもの季節にあわせた大福を使用し、パイは七洋さんからいただいています。このパイ大福は、焼成時間も比較的短いためできる限り小ロットで焼き上げています。なかには、オーブンをみて今焼成しているものが欲しいという方もいらっしゃいます。やはり焼きたてに勝るものはないと思います。 武蔵まんじゅうや蜂蜜かすてらなど焼きたて商品の試食をどんどんすすめていますが、ほぼ皆様が喜んで試食されます。口に放り込む、口コミの法則を実行中です。

倉掛  以前から使っていただいております2枚差2段窯と、今回新たに2枚差3段窯を導入していただきましたが、どのように変わりましたか?

中林  厨房・売り場も広くし、スタッフを強化したため、おかげさまで、おのずと窯待ち時間ロスがなくなりました。残業も減り、客数は伸びています。同じものを大量に焼くことは少ないのですが、2段から5段になったことで、限られた時間を有効に使え、仕込みから焼き、そして包装までスムーズな段取りがとれるようになったことが1番よかったと思います。作れるから店に出せて売れるというイメージです。こんなに変わるものかと思っています。商品を作りたくても作れない・出せないではなく、今はチャンスロスをなくし新たな商品を考え作ったら出すようにしています。売場では以前よりギフト商品の陳列もできるようになり、お客様に見やすく選んで楽しんでいただくよう心がけています。

倉掛  最後に次の目標をお願いします。

中林  新しい体制を生かし、既存の商品はもちろんお客様に愛されるような新商品を季節ごとに創り出し、「訪れるたび発見がある中谷」であり続けたいと思います。

倉掛  2代目から3代目へと継承され、3代目での試みが今の店舗リニューアルの形になっています。仲良く、いつも支えあっている3代目ご夫婦。常に新たな目標を捧げ、前進されているのがよく感じられます。今後も精一杯後押しさせていただきます。どうもありがとうございました。

材後記

七洋製作所 大阪支店 営業
倉掛 智弘

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