五感の菓子のテーマは「自然と愛」。
出来うる限り自然の摂理を大切にして
菓子のおいしさを追求して参ります。

大阪市中央区

五感 北浜本館

代表取締役社長

浅田 美明 様

大阪市中央区

五感 北浜本館

電話 06-4706-5160

竹内  五感様のコンセプトの由来、ブランド立上げについてお伺いします。

浅田  2000年に阪急百貨店うめだ本店様より、メインステージでのシェフ達によるスイーツのコラボショップの依頼が我々の仲間11社にありまして、”大阪のパティシエは元気だ”という想いを全国に発信すべく催事を行い大成功を収めました。その後2003年にその仲間に対して常設のコラボショップの依頼が入りましたが、私は常設店では資金や長期的な方向性、シェフのこだわりの違い等で難しいと考え、1社どこかが責任を持ってやるべきだと仲間達に全面的にお任せしました。最終的に仲間の皆さんから「浅田さんが自分の考えでやってくれ」と声を掛けて頂き「それならばやらせて頂きます」とお引き受けしたのが「五感」の始まりです。

私の北大阪でのステージ「プチ・プランス」では地域密着型のお店として日夜菓子創りを行っていますが、デパートの中ではもっと自分の考えをわがままに表現する”西洋風日本の心(こころ)菓子”をテーマとして、皆様の助けを借りて同年7月に阪急百貨店B1Fにお店をオープンさせて頂きました。五感では、日本人に響く洋菓子を求めて「火・水・土・風・愛」をテーマに展開し、菓子作りに「人」「鮮度」「旬」「風土」「安心」の五つの定めを吹き込んでいます。オープン以来お客様にそれをひと目で感じて頂き味わって頂く菓子創り・店創り・人創りにこだわってきました。

竹内  2005年5月に大阪・北浜の地に「五感・北浜本館」がオープン致しましたが、その経緯はどうだったのでしょうか?

浅田  梅田阪急のお店はおかげ様で順調にスタートし、そのままデパートブランドとして発展を考えていた1年後に阪急の建替え案が浮上しました。思いもよらぬ事で、今後の方向性を定める上であくまでデパートは漁に出る船、ブランドの成長には明確な港=本店を作る必要性を感じました。五感のコンセプトである”自然と愛””歴史と本物思考”を強化し、お客様より「浅田さんは大阪で育ち、大阪でパティシエをしてきた人だったら大阪の誇れるお店・大阪の銘菓を作ってほしい」との声も頂いていた為、それらを取り入れる本店案を思案していたら忘れもしない2003年2月5日に大阪・北浜にて物件(旧報徳銀行跡)の紹介が…。この建物の周囲は大阪の経済の中枢であり水の都大阪の象徴の所でもある、そして大阪の人が大切にしてきた建物でしたので、「ここしかない!」と電気が走った状態で一気に決めました。そして同年5月21日に「五感・北浜本館」としてオープンしたのです。

竹内  本当にすばらしい建物です。
“本館”のコンセプトと、オープン後の推移をお聞かせ下さい。

浅田  「味覚・視覚・聴覚・嗅覚・触覚」の五感に訴えかける菓子創り・店創りを表現する為、広いスペースを「自然と愛」「火・水・風・土・愛」のステージに分けました。あえて店舗の中に「火」のイメージである赤いバッケンスルーWINタイプを置き火の世界を強調し、「水」の世界のオープンケース、「風」の世界は焼菓子、「土」の世界の”お米の純生ルーロ”を中心とした生ケーキ類。人と人との想いやりを表す「愛」の世界はギフトゾーンを演出しました。
オープン時は告知無しでスタートしました。いたずらに数字を求めるのではなく、五感ブランドをじっくり育てて行きたかったからです。オープン当初はゆっくりでしたが「ウチのパティシエしか作れない」「大阪で誇れるお店にしたい」を追求していくにつれ、徐々に姿が整ってきたと思います。

竹内  3年目を迎えた昨年に入り動きがございました。

浅田  看板商品”お米の純生ルーロ”は五感の柱として順調に育ちましたが、お客様より「もっと遠くへ持っていけるお菓子が欲しい」との声を頂くようになり、そこで純生ルーロのイメージを元に開発したのが”ええもん”というマドレーヌです。”ええもん”を中心に単品をシンボリックな見せ方が出来ないかと検討していた所に出会ったのが円形マルシェ台でした。昨年3月に、単品焼菓子の表現を強化する為に直径2200ミリの円形マルシェ台を入れての店内=重機改装を実施。入れてみると、当本館の天井が高かったこともあり実にピタッとお店にはまりました。お客様にも良く見て頂いています。このマルシェ台は本館に入れて非常に良かったですね。

竹内  ここに来て五感様のバージョンが上がって来た事を感じます。今後に向けての取組み等はございますでしょうか?

浅田  今年は私の父親がはじめて、お客様にお菓子の提案を始めてから50年の節目の年になります。小さく始まった店も、現在、五感と併せて200名のスタッフを抱えるに至りました。しかしながら私共の業界は日付けの問題や品質管理等で厳しい目を向けられています。私はこの菓子屋を、生き方・考え方を間違わないブランドとして育てていく事が使命と考えています。五感は、五感銘菓・五感ブランド・そして大阪の街づくりに貢献する事を突き進めていきます。前例なき事に挑み、「大阪も捨てたものじゃない!」という所を常に見せていく、そのトップブランドとして、志として大阪から世界に通ずるトップパティシエを輩出していく街にしていくのが私の目標ですね。その為には、その時を逃がさない「タイミング」を大事にしていきたいと思います。

竹内  五感様のお店を見ると、まさに浅田社長の生き様を見ているような気が致します。表したいメッセージを如何にお客様に伝えるか? それをスタッフ1人1人が考え使命感を持って動いているようにも見えます。これからの動向にも注目していきたいです。本日はお忙しい中有難うございました。

材後記

(株)七洋製作所  営業課長
竹内 浩

お問い合わせ

お困りのことがございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。