“ギフトを売る”ことの重要性。
「二足のわらじ」で
成長を続ける店づくり

滋賀県東近江市中小路町

八菓市庭縁 いせとう

専務取締役

外内 潔 様

滋賀県東近江市中小路町

八菓市庭縁 いせとう

電話 0748-23-0881

滋賀県東近江市にある「八菓市庭縁 いせとう」様は、ギフトに強い繁盛店です。町の洋菓子屋さんでもあり、ギフト菓子の店としても地域で確固たる地位を築いておられます。不景気の昨今でも、売れるべくして売れる、成長すべくして成長している。その貴重なお店作りのヒントを惜しげも無く語っていただきました。

「有料の試食」という考え方

内山 前回うかがったのは〝苺フェア〟の時でした。年間通して、どのようなイベントをされていますか?
外内 春先の〝苺フェア〟は、「三重の伊勢いちご」と「福岡のあまおう」、「栃木のとちおとめ」を使って、3種類のショートケーキを大々的に販売します。
夏は暑気払いとして〝桃〟のフェアをやります。桃が丸ごと入った生菓子「桃太郎」が、いせとうから地域の皆様への暑中お見舞いという気持ちです。
おかげさまで毎年楽しみにしてくれているお客様も多くなりました。地域の風物詩になりたいという思いで毎年続けています。
内山 地域の方々に定期的に来ていただける良いイベントですね。秋はどのようなことをされますか?
外内 栗やさつまいもを使います。モンブランや栗の焼き菓子、さつまいもの半生菓子をご提案しています。今年から、ラムレーズンも展開しています。ぶどうの美味しい季節になるとブランデーケーキやエンガディーナが売れています。
内山 食材による季節感をとても大切にしていらっしゃいますね。
外内 日本人は食べ物で季節を感じるのが大好きですよね。お菓子屋さんは全国の美味しいものを使ってお客様に提案できる良い仕事です。季節ごとに思い出していただけるお店を目指しています。クリスマスやハロウィンといったイベントはあまり重視していません。
内山 ショートケーキはフルーツだけ食べてもすごく美味しいですね。イベントでは原価率が高くならないですか?
外内 これは、いわば「有料の試食」と考えています。もちろん利益が残るように仕入れや設備など工夫していますが、定期的にお店に来てもらうことで、焼き菓子やギフトも出るようになるのです。

「二足のわらじ」で売上の安定化

内山 いせとう様の店づくりは、ギフトの箱売りを非常に大切にしていらっしゃいますね。
外内 売上の50%以上がギフトです。年間通して何かしらギフトの準備をしています。10月の今は年末の準備です。生菓子とギフトとで、いわば〝二足のわらじ〟のような感覚です。
日持ちのするギフトは前もって計画生産できるので、非常に効率が良い。労働時間も圧縮できるし、利益率も高い。クッキーなどの焼き菓子や半生菓子、夏場はゼリーが大変良く出ます。
内山 今回、スチームラックZENを10枚差しから20枚に替えられました。ゼリー殺菌の作業性はいかがですか?
外内 ZENの20枚差しがあるから5〜8月の4ヶ月間で4万個の生産が出来ています。これが無かったら何時まで仕事するのかという感じです。暑い時期に短時間で集中してやれるのは、労働環境としてとてもありがたいです。スタッフのモチベーション維持にも繋がっています。
内山 それは良かったです。
夏場に苦戦しているお菓子屋さんが多いですが、いせとう様は違いますね。

夏場は売上を作りやすい

外内 夏場は一番売上を伸ばしやすい季節です。箱売りのギフトが良く売れます。粗供養であったり、お中元やお盆のお土産であったり。
中でも〝ゼリー〟は日持ちがして重さがあって、夏のギフトには最適です。7月末の時点で、2万5千個の在庫がないと売上に耐えられません。でも賞味期限が長いので、かなり前から準備できます。ある意味、ゼリーは最高ですね。
また、ゼリーが売れることで他の商品も合わせて売れます。うちは夏場もショートケーキが良く出ます。でもやはり夏場は特に、クッキーなど日持ちのするものが売れますね。賞味期限の長さは〝お客様の安心感〟につながっていると思います。

箱売りを大切にする

内山 いせとう様では箱売りがメインで、バラ売りはされていませんね。
外内 はい。バラ売りも、アソート売りもしていません。バラ売りは売る側の都合だと思うのです。お店の賑わい感は出るし、売りやすいのかもしれません。でも、製造や接客の手間やコストを考えるとやるべきではない。箱売りだと接客の人員も少なくてすみます。うちは10箱とか20箱の注文を受けてもお待たせしないですぐに出せる体制を整えています。これで法人のお客様などがかなり増えました。
内山 それだけギフトの箱売りを大切にされているのですね。
外内 これは20数年前、七洋さんに言われたことですよ。内山専務の言葉がずっと心に残っています。和菓子屋さんは銘菓の箱売りが強い。洋菓子屋さんも同じように箱売りギフトを強化するべきだと。
内山 昔の話ですね。びっくりしました。それを着実に実践されて、いまのお店がある。私も嬉しいです。今後はどのようなことを考えていらっしゃいますか?
外内 缶クッキーを考えています。
これは機械に対するリスペクトです。最後は手じゃない、フィニッシュはオーブン。いわは、職人の手のような存在です。いくら材料が良くても、機械が悪いとダメ。七洋さんと共に歩んできたという想いも大きいです。
内山 この缶を見て私は感動しました。ご一緒に成長できるよう私どもも頑張ります。本日はありがとうございました。

材後記

いせとう様は、労働環境の改善や労働時間の短縮にも精力的に取り組んでいらっしゃいます。収益を高めるには、まず弱点を強化するのが近道です。
夏場に苦戦しておられるお店には特に参考になったのではないでしょうか?いせとう様の益々のご盛栄をお祈りいたします。

七洋製作所
専務取締役
内山 毅一

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