老舗店の進化

静岡県静岡市

有限会社小島屋 キャトルフレールコジマ

代表者

小嶋 実 様・悦子 様

静岡県静岡市

有限会社小島屋 キャトルフレールコジマ

電話 054-252-2449

今回は静岡県にありますコジマ屋様を取材させていただきました。
これだけパンの売上げ比率が高いお店でのリニューアル計画はあまり経験が無かったので気合が入りました。スルーオーブンでの「焼き立て商品」をお客様へ提供する方法は、お菓子屋さん以上にパン屋さんでの効果に期待はしていましたが、予想以上の成果が出ております。どの様な流れでお店が変化するのか、経緯をご案内いたします。

小嶋社長様との出会い

静岡地区で開催させていただいた私どもの講習会にご出席いただいたのが、初めての出会いでした。
講習会終了後、お店を訪問させていただき、小嶋社長よりお店のリニューアルを検討されていることをお聞きしました。
色々とお話をお聞きすると……
後継者が4人。パンを修行された長男をはじめ、パン製造を助ける次男、お菓子を担当する三男と現在修行中の四男。後継者問題でお悩みの経営者が多い中、社長の築きあげたお店を4人の息子さんが継いで行くことに大いに期待が膨らみました。

お店のコンセプト作り

リニューアル前の状況は和菓子をはじめ、パンそして洋菓子と仕入れ商品の進物まで商品アイテムは正直沢山ありましたが……
パンの売上が多く、進物の動きは昔からの仕入れ商品の繋がりを持つ付き合いで、なかなか切ることの出来ない状況で、もったいない印象を感じました。

ご提案として

第一にパンの販売スペースリニューアル「焼き立てをダイレクトにお客様の売り場へ」をテーマに老朽化した店舗をリニューアルすることを提案しました。
第二に仕入れ商品を止める事で「自社ギフトブランドの確立」を強化。デイリーからギフトへつなげる展開を基本コンセプトしてご提案させていただきました。
たまたま和菓子製造の職人の方も定年を迎え、洋菓子部門では息子さんが頑張っている状況を踏まえ、自社ギフトブランドを洋菓子で作り上げることを目指しました。

店作り提案

大きな構想がまとまり、いよいよ現在の店舗をどの様な配置と商品販売レイアウトで行っていくかを密に打合せし、ただきれいになったお店ではなく、専門店として「わざわざ来ていただけるような」・「ここにしかない店作り」をテーマに話を進めました。時にはお菓子のアイテムだけではなくパッケージ、販売価格や販売スタイルなどにも熱いディスカッションを交わし、そして、ようやく納得していただけるところまで話が進んだのです。

いよいよリニューアル

昭和23年の創業。地域では大きな認知度もあり、お客様の反応は抜群です。
スルーオーブンから出てくる「焼きたて商品」はすぐにお店に並び、店内に良い香りが広がる中で沢山のお客様が焼きたて商品を選んでいる姿に手ごたえを感じました。
「これがまさにマルシェです。」
開店からお昼の時間に掛けてはパンを求めて来店されるお客様がお店に行列を作り、昼からはおやつを求めに来店されるお客様が多く見られました。

リニューアル後の状況では……

今まで来ていただいたお客様に加え、新規の方も多く来店されているようです。
また、洋菓子部門ではロールケーキをはじめ生菓子だけではなく焼菓子の商品ラインアップも強化し充実させました。リニューアル後のギフトについてお話を聞いたところ、ギフト商品の売上は確実に伸びていると言うことです。
2010年の夏は皆様もご存知のように猛暑の連続でどこの店舗に行っても「暑い・厳しい」を連呼していたと思います。
現在、スルーオーブンでの焼成はパン・菓子ともにとてもよい焼き上がりと喜ばれております。パン部門ではやはり焼きたてのアピールを中心に朝からお昼までの焼成にスタッフの方が大忙しです。
洋菓子部門の焼成ではロール生地をはじめ焼き上がりにとても満足を頂いております。

現在、小島屋様では4人の後継者の方々に恵まれ、パン部門には長男様、次男様と洋菓子部門には三男様と、そして将来現在修行中の四男様も加わり今後が楽しみなお店です。
取材にお伺いした日に、おめでたいことに長男の専務様ご夫妻に待望のご子息様が誕生し、小嶋社長もとても喜んでおられました。後継者問題で悩む業界にとても、光輝くお店です。専門店のあり方について沢山の答えがここにはあります。

材後記

(株)七洋製作所 営業係長
高橋 宏之

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