スチームラックオーブンから
美味しい和菓子が生まれ
生産効率も上がりました。

長崎県対馬市

有限会社 渡辺菓子舗

店主

渡辺 圭二 様

長崎県対馬市

有限会社 渡辺菓子舗

電話 0920-52-0571

長崎県対馬は博多から船で5時間、人口3万2千人の南北に長い国境の島です。この地で繁盛されてます、渡辺菓子舗様を取材させて頂きました。

1902年創業

渡辺 1902年創業で私で4代目です。代々、対馬伝統菓子「かす巻き=加寿萬喜」を中心に飴や丸ボーロ・最中・和菓子を製造販売してまいりました。対馬は韓国との国境の島として独自の文化が育っており、地域に育てられ仕事をさせて頂いております。

お店の構成と商品構成、こだわりについて

渡辺 人員は製造3名・販売4名の7名でやっています。主力の「加寿萬喜」が売上構成比で70%、和菓子含むその他商品が30%です。
「加寿萬喜」は1日最大2000本製造していますが、美味しい状態で召し上がって頂きたいため、全てその日販売でつくり置きをしません。焼菓子は脱酸素剤を使わず鮮度で勝負したいと思います。
また一店舗のみで、空港や港にも売店は出していません。商品に目の届く範囲で心を込めた菓子づくりを大切にしています。

3年前に南蛮窯を入替え

渡辺 約30年前に南蛮窯622を導入し「カステラ」や「おとしやき=丸ボーロ」を焼いていましたが、ここ数年の人口減少や高齢化に危機感を覚え特に子供世代の来店機会を増やしたいと考えて4年前にシュークリームでの集客を七洋さんに相談しました。その際オーブンの性能向上を目の当たりにし、製造の都合上、動線を変えずに芯温センサーや全自動運転等の機能向上を取り入れて全く同サイズの南蛮窯ONS?622の入替え提案を受け実行、同時に焼き立て提案を具体化するための3尺サイズのマルシェ台も入れました。
結果としてシュークリームは勿論ですが、カステラを芯温センサーでの焼成に改める事で品質向上と生産性向上を果たす事ができ、マルシェ台のみで日商が3万増えました。

新たな生産性向上の必要性が高まり、今年7月にスチームラックオーブン増設

渡辺 1日90名弱の来客で客単価も上がってきましたが、カステラが好調でオーブン口数が足りなくなり生産性向上が急務となりました。しかし厨房スペースが取れずオーブン増設が難しい中で、老朽化した蒸し器をスチームラックオーブンに変えて蒸し器の代わりになるなら動線も変えずにオーブンとしても使え焼き物の増産も可能になるのではと相談し、今年7月に既存ボイラーと内蔵ボイラー切替式のスチームラックオーブンSRZ?10Eを”蒸し器と入替え”て導入しました。

◎SRZ?10E
外部ボイラー使用(主に蒸し物)=やぶれ饅頭・薯蕷饅頭・蒸しカステラ・大福類・蒸し羊羹・落雁
内蔵ボイラー使用(主に焼菓子)=おとしやき・松葉せんべい・サブレ類・プリン
◎南蛮窯ONS?622T
シュークリーム・カステラ・栗饅頭

効果は直ぐに現れ、オーブンで多様な使い分けができるようになって効率が更に高まりました。和菓子は蒸し上がり後の艶や状態が以前に比べ格段に向上。「おとしやき」はSRZ?10Eに移行。カステラと同じ材料で内蔵ボイラーを使い10枚分を10分弱で焼き上げるため、おやつ菓子として大きな戦力になっています。南蛮窯が空いたので、カステラの生産量も更に増えました。加寿萬喜や最中は省力化できないので他の商品の機械化による商品力と生産性向上は大きく、中小企業投資促進税制での即時償却を紹介頂きましたが、オーブンを約半額で購入した位の節税効果が出ます。本当に有難いです。

展望と今後について

渡辺 対馬も環境変化が激しく人口減少も顕著です。その中で生き残っていくにはメイン商品を維持し、如何に育てていくかだと考えます。私の店ではそれが加寿萬喜になります。加寿萬喜を維持するためにおやつ商品が必要で、かつ美味しくしていかなければなりません。対馬では特に韓国人観光客を中心に流動人口がここ数年増えており新たに取り込むチャンスもありますが、そのためにも地元の取り組みが更に重要になります。現状の継続と更なる地盤固めによってのインバウンド引き込みを当面の取り組みとして頑張っていきます。

材後記

渡辺菓子舗様の特色は、離島の地でありながら売上の殆どを来店客のみで出している事につきます。実際にお菓子が美味しく、それが全てです。また地域の状況を言い訳にされず、いつお会いしても前向きな言葉と攻めの姿勢が変わりません。それがお客様に伝わっているように感じます。考え方を是非ご参考にして頂きたいお店です。これからの展開も大変楽しみです。今後とも宜しくお願い致します。

(株)七洋製作所 本社
 営業次長
竹内 浩

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