七洋さんの講習会を聞いて
「一筋の蜘蛛の糸」を
見つけました。

新潟市西区

有限会社 貴餅(きへい)

代表取締役

金山 琢也 様・裕子 様

新潟市西区

有限会社 貴餅(きへい)

電話 025-260-0240

今から11年前に開業してから、修行した京都のお店と同じようなスタイルで常時18品目(定番9品目、季節で9品目)年間約100品目の和菓子を作っています。修行先で習った京風の甘味、そして簡単なお食事が出来る場所も店内に併設しています。自分で食べてよし(生和菓子)お店で食べてよし(甘味お食事コーナー)この2本柱で8年間やってきた頃に売り上げに異変がおきてきました。

順調にきた売上が頭打ちになった。

今考えれば至極当たり前のことなのですが、良い材料で美味しい和菓子を作っても(1)美味しくても日持ちがしない。(2)大切な方に差し上げるときにもある程度の箱のボリュームが必要(3)差し上げた方から「美味しかったけれど全部食べ切れなかった。残りは捨ててしまった。」などなど。きっとこのオーブン導入前の8年間には、貴餅の和菓子をお店で買っていかれた方、贈られた方に余計な思いをさせてしまったのではないかと今でも悔やまれてなりません。

「それなら、今ある和菓子を添加物や砂糖を増やして固くなりにくい様にして日持ちさせた方がいいのだろうか?」妻と喧々諤々の議論をしていた丁度その時、いつも材料でお世話になっている(株)渡森の営業の方から「七洋」さんの講習会へお誘いをいただき、何かのきっかけになればと参加させていただきました。

生で引き、焼きに落とす。

内山社長のお話の中でまず印象に残ったのは「生で引き、焼きに落とす」「焼きの鮮度でアピール」この2つでした。「お店の伸びしろはこの焼菓子にかかっている。」と「なるほど道理だ!」直感で思いました。「私は今まで何をやっていたのだろう」京都という場所があまりにも和菓子の中で特殊な場所過ぎていたことにぜんぜん気付かずに8年も過ごしてきてしまった。お客様は自分自身で美味しい物が食べたくなる。次に家族のために買う。次に親しい友人のために買う。そして大切な方のために買う。個人の領域から公の領域に向けて金額、品数がだんだん増えていく。「こんな良いお店、美味しいお菓子を知っているよ」と自慢したくなる。

この贈り手のお店に対する思いと、贈られた方のお店に対する思いがシンクロしたときに「このお店のお菓子、本当に美味しいのよね!こんな良い物を頂いて本当にありがとう」となる。「お店もお客様も信頼関係で結ばれて客単価の高いギフトが販売できる領域に踏み込んでいける」。つまり焼き菓子の詰め合わせを売るということは、イコールお客様とお店の信頼関係を高い次元で築けば良いという事になるのではないか。そのためのセールストーク、クレームの処理の仕方などがすべて信頼関係を作ることに集約されなければなりません。

結果的に自分はこのお客様の気持ちの流れにうまく応えていませんでした。しかしうちの強みとしてお客様には「貴餅の和菓子は日持ちしないが、よそのお店では絶対味わえない美味しさがある!」これは確実に浸透している自信があります。うちのお客様の客層が若い方から幅広いことからも実感しています。決して洋風なものを販売していないのですが、看板商品の貴福餅などを買い求めていかれる姿から、内山社長がおっしゃる「生で引く」の下地は十分にできています。後はお客様を「焼きに落とす」だけです。

自分の店をピラミッドに例えれば

私は、底辺の大きな台形を横へ、横へ、大きくするばかりで肝心の縦方向へ積み上げる努力をしてこなかった事に気付きました。やはりお店は規模の大小に関わらず安定した三角形を作る努力を怠ってはいけないと。底辺の大きさは日々の客数(単価は低くてもお店のお菓子にこだわりを持って足繁く通って下さるお客様)。ピラミッドの高さは客単価(ギフト、プレゼントにお店の詰め合わせを使ってくださるお店に対して強い信頼を寄せてくださっているお客様)。

社長の講演を聞いた後すぐに内山社長にお店に来ていただき、忌憚のない御意見を伺い、その場で6取り2枚差3段の南蛮窯を契約しました。1月25日に講演会があり次の日に内山社長がお見えになり、「最短の納入でお願い致します」とことらの要望で3月4日にオーブンが納入されました。それからは東京へ夜行のバスで妻と二人で、数量限定の行列のできるお店の焼き菓子を食べに行ったり、焼き菓子の講習会に頻繁に参加したり、目まぐるしい日々を送っています。焼き菓子も今では12品目を販売し、その中でも「笑栗(えみぐり)」¥168(一個)は全売り上げの約20%を占め、稼ぎ頭に成長してくれました。もし2年前に講演会を聞いて決断していなかったらと思うとぞっとします。

これからまだまだやることはたくさんありますが、味を落とさず機械化できるところは機械化し、人手をかけなくてはいけない所はしっかりかけてやっと見つけた一筋の蜘蛛の糸を頼りに登って行こうと思っています。本の中でお釈迦様は最後には蜘蛛の糸を切ってしまいましたが、私は従業員共々糸を切られないように「誠実に」がんばっていこうと思います。(以上 金山社長談)

材後記

とにかく全てにおいて前向きな金山社長の姿勢が印象的でした。行動力もおありです。今後の益々のご活躍をお祈りいたします。

株)七洋製作所  営業係長
石原 裕樹

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