
北海道室蘭市
菓子工房 モン・パリ
電話 0143-23-7765
- 2012年7月新店舗
- 2007年改装前
- 2007年改装後
室蘭市は、2007年には人口が16万人台でしたが、現在は9万人台と人口の減少が進んでいる町です。
その環境の中 今年600坪の土地に新店舗を完成させ移転を果たされたモン・パリの須藤代表にお話を伺いました。
市丸 新店舗完成おめでとうございます。
初めにご商売を始められるきっかけを教えてください。
代表 私の主人は、出張の多い会社員で、私は、二人の娘を育てる主婦でした。
娘たちの手が少し離れたころ、スーパーに勤務するようになりましたが、もともと自分で何かやりたいと思っていたほうですから、勤めていても組織に属していると自分の考えややり方を実現できないため、具体的ではありませんでしたが何か自分でやりたいという思いはずっと持っていました。
ある日友人から洋菓子屋さんが、居ぬきで買ってくれる人を探してるという話を聞いて金額も借金をしないでもやれる額だったことがきっかけで50歳でお店を持ちました。
市丸 ご了承をえて伺いますが、50歳でほとんど経験がない洋菓子屋さんを買われて不安はありませんでしたか?
代表 勿論戸惑いも不安もそして反対の意見もありました。
製造に関しては前オーナーもしばらくは手伝ってくれるということとスタッフにも経験者が残ってくれましたので、何とかなるのではないかと思いました。
ただそんなことよりも「自分でなにかやりたい」という夢の方が大きく50歳の今なら「気力」も「体力」あるからやれるという思いでした。
そして自分の考え方ややり方夢の実現してくれることが、結果的に洋菓子屋さんだったということかもしれません。
市丸 初めて代表にお会いするきっかけになったのは、販売代理店の金丸富貴堂札幌支店様でのミニ展に娘さんが出席していただいたのがスタートでした。
代表 そうですね、娘は札幌でまったく違う仕事をしていました。私から一緒にやろうとは言ったことはありませんでしたが、娘の方から室蘭に戻ってやるということを言って帰ってきて、まだ1・2週間しか経ってない時に、金丸富貴堂様の当時担当してもらってた藤谷さんから熱心に誘っていただいてましたので娘に行かせました。藤谷さんとはその後七洋さんのお誘いで福岡へ行った時も一緒に見学もしました。
そのときの福岡見学はその後本当に役に立ちました。
- 看板商品「げんこつパイ」
- 厨房内のスルーオーブン
- 須藤代表とお嬢様
市丸 そのあとスルーオーブンとマルシェ台を購入していただきましたが、振り返ってみていかがでしたか?
代表 壁を抜いたり、床とクロスの一部を張替え30万円くらい別に掛かりましたが、導入することによって私もですが娘も覚悟が決まったのではないかと考えています。安い買い物ではありませんので、これをきっかけにやっていくんだという覚悟です。
そして、やったことによってお店自体も明るくなったことも大きかったと思います。
市丸 それから、2010年に前取りチルドマルシェを購入していただき、今年の7月に600坪の土地に新店舗・工場を建設と同時にスチームラック10差オーブンをご購入いただきました。
代表 商売をやっていると次から次にああしたい・こうしたいということがでてきます。前のお店は、駐車場が無く、来ていただいた方に座っていただく場所もありませんでした。
移転直後は12人いる従業員は一所懸命やってくれましたが、とにかくお菓子が足りなくなり、お客様にご迷惑をおかけしてしました。
市丸 人口減少の中、ご商売は順調のご様子ですが?
代表 そうですね、オープン直後は別にして、前年の約二倍のペースで、看板商品のげんこつパイは毎日500個から700個はつくっています。
市丸 これからの「夢」を教えてください。
代表 お菓子を通じて地元(室蘭)を明るくしたいです。
企業訪問で学生がきますが、質問のなかで辛いことは何ですかと聞かれます。答えは、「辛いことは一つもありません、ただ大変なことはあります。それは、自分の人生を主役でやってるから。」と学生さんに話します。
いつも私が感じていることは、お菓子屋さんはほんとにいいご商売だなと、お客様もおいしいものを前に笑顔で、記念日や楽しい時に食べることも多くしかも不景気とはいえ子供からお年よりまでいつでもお菓子を買うことはできます。
50歳ではじめた夢はまだ続き受け継がれていきます。
取材後記

取材
七洋製作所 東京支店長
市丸 隆