Vol.2
小が大に勝つには
小が大に勝つには
窓にみる、碧日の大空、白い雲。感じる、快適さ。そんなことはさておき、今回も、私は福岡~東京行きの飛行機の中でこの原稿を書いております。今回のテーマは、もしも自分の店の前に大手チェーンの菓子屋さんができたらです。
「小が大に勝つ」これはよほどの努力が必要。人それぞれ考え方はあると思いますが、先日私は奈良のある菓子店の社長様からこんな話を聞きましたので書いてみます。まさにこれが小が大に勝つ方法なのです。その菓子店は今では地域1番店としてがんばっておられ、すばらしい後継者を育てられております。社長が独立されたのはまず、その地域の地元スーパーの中に店を出すことからはじまりました。
がんばるぞと思ったやさきに大手チェーンの店が目の前にどんと出店してきたのです。あなたがこの立場にたたされたらどうされますか?資金は限られている。あるのは前向きな奥様と自分が今までつちかった技術。それと絶対に引き下がれないという男の意地だけ。どうしたらいいか毎日毎日考え、眠れない日々が続いたそうです。とりあえずは何かをしなければいけない。そんなことでご主人がまずとられた行動は第一に敵を知らなければ何もならないということでした。敵情視察です。
毎朝敵のショーケースを観察して、どんな商品をならべているのか、どんな値段なのか。こうやって毎日いっしょうけんめい見ていると、ひとつのルールのようなものがわかってきました。ケースの中にはその日に一番売りたい目玉商品がある。また、その商品はいつもよりも値段が安く、数をたくさん持って来ている。「よし。」次の日から戦闘開始です。それは、朝、敵の目玉商品が何であるかを見て、すぐ家に帰り、それと同じものを作り、大きくそして安く売りはじめました。これは誰もが気づくことですが、実際に行動にうつせないのが現状です。
こうなって来ると結果はあきらかで、大手の目玉商品がだんだん売れなくなって来ました。いくら大手でも売れると思っている目玉商品が売れないのは厳しいものです。とうとう店舗を閉めてしまいました。
まさに小が大に勝ったのです。もちろんこれだけで店が大きくなって行ったとは私も思いません。もっと違った意味での努力がたくさんあったのではないかと思います。しかしその時のことを奥様と一緒に話された時には目に薄っすら涙を浮かべておられました。様々な苦労がよみがえってきたのでしょう。そしてご主人が最後に一言、「あの戦いがあったからこそもう一つの飛躍ができ、また今では何がきても怖くない。」この言葉には何か強いものが感じられました。
「もしも自分の店の前に大手チェーンの店ができたら」で初まった文章。結論からいけば戦うしかないのです。大手がきた時もうダメだと思うのと、なにくそ死んでも負けるかと思うのでは、長い人生に大きな開きがあると思います。どんなに強い相手でも一ヶ所ぐらいすきがあることを忘れず、もし自店がこういう立場にたたされた時は、小でも大に勝てるんだと信じて戦ってください。健闘を祈ります。



