Vol.69
「忙しい時と暇な時の対策」
「忙しい時と暇な時の対策」
菓子店を経営していて、誰もが一度は頭を抱えるのが”季節による売上の波”です。特に近年の異常気象を前にすると、従来の「夏=6月~9月」という感覚では、とても対応しきれません。今や、5月から10月までを夏とみなし、半年間の暑さと向き合う必要がある。そんな時代に突入しています。商売において大切なのは、年間を通して売上や利益が大きくぶれないこと。人を雇い、事業を安定して続けていくためには、季節要因に振り回されない”強い店づくり”が欠かせません。
「オーブン販売の長い歴史」
弊社は創業63年、業務用オーブンの製造・販売を続けてきました。初期の主力は和洋菓子店向けの「南蛮窯」。その後、洋菓子店向けに「バッケン」を開発し市場を広げましたが、デッキオーブンには一つの悩ましい特徴がありました。売れる時期が夏場に偏るのです。お店が暇になる6~9月に買い替えが集中し、逆に1~5月の繁忙期には、なかなか購入に踏み切ってもらえない。これは長年抱えてきた”季節の偏り”という課題でした。若い頃の私は、南蛮窯とミキサー、発電機をトラックに積み、日本中のお店を回っていました。荷台の上でカステラを焼き、その場で性能を見ていただくそんな日々です。次第に「カステラ以外の菓子でも窯の力を見せたい」と思うようになりましたが、トラックの上では生地づくりができません。そこで社内ラボでシュー生地を作り、カチカチに冷凍して保冷バッグに入れ、全国を回りました。カステラを焼く合間に、石のように固い冷凍生地を窯に入れて焼いてみせたのです。そのとき、あるお客様がふとつぶやきました。「窯もいいけど、その石みたいなシュー生地、いいね」このたった一言が、冷凍生地事業の出発点でした。
「現場の声には商売のヒントが落ちている」
オーブンは夏場に売れ、菓子は冬場に売れる。この逆の季節サイクルにより、オーブンと冷凍生地という二本柱ができ、売上の季節差が大幅に縮まりました。20年以上前の小さな出来事ですが、今日の安定した事業基盤は、まさに現場で拾ったお客様のひと言から始まっています。商売の本質は、お客様の要望をどれだけつかみ取れるか。そしてどれだけ早く形にできるか。「お金は現場に落ちている」という言葉を、私は何度も実感してきました。
「菓子店にとって、夏場対策こそがすべて」
今の異常気象のもとでは、5月~10月の対策が生き残りの鍵です。そこで改めて”ゼリー”をご提案しています。弊社のバッケンや南蛮窯には自動殺菌システムがありますので、安定したゼリー殺菌が可能です。またスチームラックは、加圧蒸気だけで殺菌でき、熱煮沸不要。安全で手間が少なく、口溶けの良いゼリーを作れます。
「夏場の主役はやはり柑橘」
苺、レモン、パパイヤ、マスカット、パイナップル、みかん、かぼす、メロン、ブルーベリー・・・。これらを使った爽やかな菓子は、暑さの中でよく売れます。今回、柑橘系をテーマにした“夏クッキー”のご提案も用意しましたので、ぜひ本編をご覧ください。「夏場対策は、とにかく”仕掛けの早さ”」ゼリーの販売は、5月の連休明けからがベストです。そして販売の基本は「三点売り(試食・実演・提案)」。たとえば、汗をかいたお客様が来店されたとします。冷やした一口ゼリーを小さなカップで試食としてお渡しする。その喉ごしの良さが、言葉より確かな説得力を持ちます。そこにゼリーギフトの提案を添える。これが本当の意味での”口コミ”です。お客様の「口」に届けることこそ、売上をつくる最も強力な方法です。



