Vol.5
「日本人であることの大切さと誇りを感じた」
「日本人であることの大切さと誇りを感じた」
今年の1月パリに行く機会があり、そのときフランス菓子16区の三嶋さんの紹介で、パリのシャンゼリゼ通りの近くで日本人の石丸さんという方がフランス料理の店を経営されていると聞き行ってみた。
今回はパリの三ツ星のレストランで食事をしたり色々な機会があったが、石丸さんのフランス料理の素晴らしさ、繊細さには愕然とするものがあった。「美味い」の一言である。考えて見て下さい、パリでフランス料理の店を日本人がやると言うのは、銀座で純日本料理の店をフランス人がやっているといった感覚である。そう考えるだけでも大変難しいことだと思われます。
石丸さんの髪は年齢の割には真白で、ここまでやってこられたことのご苦労の程が伺えました。
色々話しをしていく中で彼の哲学は日本人であると言うハンディを素晴らしい素材を使い、卓越した技を用い奥様の素晴らしい接客と、そして親しみやすいプライス、このことがパリで店をやっていくことのポリシーではないかと感じることができました。パリで日本人として商売をやっていく為には許可書の申請や色々な手続きが考えられないくらい煩雑でそれを奥様のゆみ子様が大変ご苦労なさっておられることや、フランス人を使うことの難しさや色々な話しをすることができました。
食事が終り、厨房に挨拶に石丸さんのところへ伺った時ドアを開けた瞬間、すごい迫力というかパワーが、僕の目の中に入ってきました。それは石丸さんがフランスの3人のコックと一緒に料理をしている姿でした。身長が皆60㎝位ちがう相手に真正面から「気」で立ち向い自分の技を伝承する、とにかく料理を作ると言うよりも彼らと格闘している、それも死にもの狂いで、僕も色々な厨房に入りますが、ここまでの光景を今まで見たことがありませんでした。すごいの一言です。
石丸夫妻がここまでやってこられご成功なさったのは一番底の部分にある日本人としての誇り、辛いことがあった時に人は流されて行きやすくなると思います。しかしその時日本人であるという誇りと自信、これが大きな歯止めとなったのではないかと…。
日本は一つの単一な民族であり平和であり豊かである。日本にいるとこれは空気や水のようにあたりまえのようになっているが、ヨーロッパのように一つの大陸の中で色々な複数民族が入り混って生活をしていく、これは大変なことなんだと感じます。自分自身を今いる所から遠い場所でもう一度見つめると素直に感じることができます。これも旅のよさなのかもしれません。
パリに行かれた折には、ぜひ石丸さんの店でお食事をして下さい。「そうだ」その前にどこか三ツ星のフランス料理店に行った後に行かれると僕の言ったことを貴方の舌で感じることができるでしょう。



