Vol.38
お店の寿命

マーケティングの重要性

マーケティングとは、お客様の嗜好の変化や、現在のお店の立地などの時代的変化などを考え、それに合致する商品作りや店づくりなどを検討することをいいます。これが今一番重要な販売戦略ではないかと思います。作れば売れた時代も確かにありましたが、やはり市場はどんどん変化していきます。
ある本にこんなことが書いてありました。企業というのは「環境対応業」(環境の変化に対して対応していく)もっと言えば「将来環境予測対応変身業」(先の事を予測しその為の準備をして変化していく)正に今後は状況により、機敏に変化対応していくことが非常に大切です。

会社の寿命

昔、日本経済新聞から企業の寿命という本が出版されました。その本では会社が誕生して、成長して、安定して、衰退して亡くなる。この平均寿命が30年であるということです。要するに30年間で会社は誕生して亡くなる運命にあるという事です。
経営とは30年で潰れる運命を、いかに存続させ長く続けていく、ここが会社経営の難しさでもあり醍醐味でもあります。
何故企業は衰退していくのかを考えてみると、やはり環境の変化(世の中の移り変わり)に対応することが出来なかったことが全てにおいて原因の根幹にあると思います。
30年間会社が続くと組織も肥大化してまるで体にたまった脂肪の様につきまとい、何事においても誕生した時期に比べたら物事を決定するスピード感がなくなります。こういった要因がある中で、今迄一生懸命やってきたからとか、真面目にコツコツやってきたからだけでは、駄目なのではないでしょうか。状況の変化にいかに素早く対応でき変身できたかが、会社の寿命を延ばすことになるのではないでしょうか。

三現主義と三識が全てを救う

ここで、時代に乗り遅れないための唯一の手段があるとしたら、私は三現主義しかないと思います。三原主義とは?現場?現物?現実この三つの事を、トップや、部署の責任者が行っているか。現場に出向き、現状の製品を確認して、今のニーズ合っているか現実を直視する経営。これが企業の衰退を防ぐ最大のキーワードだと思います。
そして更にこの問題に対してのその問題を「意識」して、これを研究し「知識」として、「組織」で対応するこの三識が必要です。机の上だけ、工場の中だけでは、お客様のニーズは解りません。又解らなければマーケティング営業の基本である、お客様の心の中にある欲求に対してお答えすることができません。

お客様を増やす努力をする

最終的に衰退の原因は、お客様の減少にあるという事になります。毎月毎月お客様が何件増えたかを勘定している会社とそんなことはしないで、毎日同じ客ばかり回っている会社とでは格段の差が出ます。成功する企業は全てのベクトルがお客様を増やす方向性に向いている。
例えば銀行ならば取引先を増やす。学校ならば生徒を増やす。病院ならば患者を増やす。旅館であれば宿泊客を増やす。要するに、会社全てのベクトルを顧客の増大としている企業は1歩も2歩も前に行けると思います。 今日は久しぶりに会社の部屋でこのエッセイを書いております。
昨年度は大変お世話になりました。
本年度も宜しくお願い申し上げます。
今年もスタッフ一同一生懸命頑張ります。

[追伸]

今回のプレスご紹介しておりますフランス菓子16区の三嶋社長の人生を描いた「菓子をつむぐ」という本には、ただ技術的な事ではなく、色々ご経験された生きざまを書くことにより、洋菓子専門店が長く続く沢山のヒントとギフトの本質が書かれています。まさに企業の寿命を延ばす考え方です。
私の友人の長尾謙一君が4年間の取材を行い、三嶋様と作られた本です。「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」三嶋社長の歴史を是非ご一読してください。

(このブログはNANBANプレス53号に掲載されたコラムを再編集したものです。)

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