Vol.7
繁盛パターンと勝ちパターン
繁盛パターンと勝ちパターン
私は、学生時代、空手と言う武道にたいへん熱中した時期があります。私が通った大学は入学した年に全国学生空手道選手権を二回続けて連破した、当時日本最強のチャンピオンチームでした。私はたまたまこのチームにいたことになるのですが、他の大学の学生も私たちと同じように練習して、手は二本、目は二つ、足は二本の同じ大学生なわけですから、多少の練習量の違いはあるけれども、優勝するチームと、最下位になるチームは、どこにそれだけの大きな差があるのかと考えてみました。考えてみると野球、サッカー、柔道でも強いチームは月日は変われど、多少波はあるにしても、いつでもトップクラスにあり、強さと言うものは引き継がれて行きます。これを言葉にすると、「伝統」と言う言葉になります。この「伝統」と言う言葉をもう少し、具体的に考えてみましょう。私の経験から言いますと、チャンピオンチームはいつも勝ちパターンを持っていると言うことです。
例えば、試合に負けたとします。弱いチームの負けた時のアドバイスは、根性がないだとか、気力がないとか、そんな抽象的な表現を多く使います。しかし、チャンピオンチームはまず、なぜ負けたのかを徹底的に分析し、どうしたら勝てるのかを論理的にアドバイスして行くシステムを持っています。もちろん大前提には根性や気力が必要なのです。弱いチームは根性や気力は皆、持っているのですが、その表現の方法がわからないと言ったことかも知れません。その表現の仕方を合理的に、まちがっていない方向へ表現する手法が勝ちパターンなのだと思います。
こう言ったことを月日が変わってもしっかりと伝えて行くシステム、これが「伝統」と言う言葉の中に秘められていると思います。こうした考え方で商売を考えてみると、誰も繁盛を願わないオーナーはいないわけで、特に私どもの業界の方は、朝早くから夜遅くまで、まじめに努力される方たちばかりです。自分の好きな菓子をひたすらつくる。この菓子をどれくらいのお客様が買い求めてくれるか。繁盛と言うのは、まさにどれだけ多くのお客様が支持してくれるかの証と言えます。
繁盛店のオーナーの方とお話しをしてみると、いろいろな個性をお持ちの方ばかりですが、いくつかの共通点を感じることができます。それは、非常に意志の強い職人であり、また、ご自分の店を非常に厳しくお客様の立場から見つめることができる。この二面性を持っておられると言うことです。どうしたらお客様に安心して買っていただき、そして、また来店していただけるか。この大きなテーマにいろいろな角度からじっくりと、そして論理的に取り組んでおられます。
私は、よく繁盛店のオーナーの方に、もし人生が二度あって、またもう一度一から店を作り上げるとしたら、違う場所でレベルの同じ繁盛店を作れる自信がありますかと問いかけます。そうすると、必ず「ある。」と力強く答えられます。これは、ある意味では、その方自身の長い経験の中で、ご自分の感性を磨き、繁盛のパターンを持っておられるのだと思います。今回のプレスに掲載させていただいたお店はまだ、店と言うよりは発展途上、繁盛する要素を持ったお店と言えます。しかし、この「途上」と言う言葉には素敵な響きと、輝かしい未来を感じますし、それに立ち向かう人生の喜びがあると思います。私どもの仕事は、そんな方々と手を取り合って、少しでもお役に立てる会社になることだといつも考えております。



