緊急取材 菓子業界に大きな転換期が来た
「パイのOEM生産は、菓子店が助かるとてもいい考えです。」

福岡市中央区薬院

フランス菓子16区

代表取締役社長

三嶋 隆夫 様

福岡市中央区薬院

フランス菓子16区

電話 092-531-3011

内山  2019年に働き方改革関連法案が施行され、企業にはこれに対応することを義務として求められます。
今までの働くことに対する考え方を見直そうとする指針ですが、フランス菓子16区様は、指針が出る前からこうしたことに少しずつ取り組まれてこられたようですが。
三嶋 私たちの菓子業界でも、ここにきて働き方改革の風を強く感じますね。法律が施行されたという事にはやはり対応すべきでしょう。
うちでは週休2日制に近い勤務形態を早くから取り入れてきましたが、3年半くらい前でしょうか、お店の営業時間を午前9時から午後8時だったのを午前10時から午後6時にして3時間短くしました。
それに合わせて完全週休2日制にして、少しくらい忙しくてもスタッフを休ませています。
内山  営業時間を短縮してまでスタッフの働き方の見直しをされている。それにも関わらず売り上げは昨年対比で上がっていると伺っています。営業時間が短くなるということは、普通に考えると売り上げは落ちますが、一体どうやって売り上げアップを実現されているのでしょうか。
三嶋 スタッフのやる気が出てきたということじゃないでしょうか。営業時間を縮めることは経営者にとって身を切るに等しいことです。
でも、そうしてでも自分たちにプライベートの時間をつくってくれているのだから、それに仕事で応えようとスタッフたちは思ってくれているのでしょう。
内山  働く密度が濃くなってきたということでしょうか。
三嶋 そうですね。昔は疲れた顔で作業するスタッフがいましたが、今はいなくなりましたね。
仕事を終えてゴルフの打ちっぱなしへ行ったりしてそれぞれの時間を楽しんでいるようで、それが仕事の集中力につながっているのだと思います。
内山  営業時間の短縮のほかに、何か実行されたことはございますか。
三嶋 商品数を見直しました。
プチガトーの数を今まで25~26種類あったものを18種類以上は出さないようにしました。そして焼き菓子も50種類くらいあったのを今は35種類くらいにしました。
作業時間のことを考えると、やはりプチガトーを減らしたのは一番大きかったと思います。
内山  そうするとお店のお菓子の種類が少なくなるわけですから魅力が薄まりませんか。
三嶋 いや、それはありません。
たとえば50種類の焼き菓子が全部ダックワーズやマロンパイのように売れているなら話は違いますが、やはり売れ行きのよくないものもあります。こうしたものを省いて商品を整理することで、お客様の満足度には影響ありませんでした。
「お菓子の種類を少なくしたのですけれども。」とご案内すると、お客様が驚かれることもあるほどです。

内山  その他にされたことはございますか。
三嶋 カスタードクリームをメーカーにつくってもらうようにしました。最初は凄く嫌だったのですよ。
でも、わずか500㏄でも足りなくなったら炊かなくてはならず凄く手間です。ですから、うちのカスタードのやり方と配合を出して、その通りやって欲しいとお願いして、それにこういう風にしませんかというアイデアを色々と入れていただいて、うちのオリジナルカスタードをつくってもらいました。
これに酒や生クリーム、フルーツのピューレなどを入れてオリジナルなカスタードに仕上げます。
おかげで作業効率が全然違いますよ。やはりこれからは、こうした半製品を使っていかないと作業が回らなくなると思います。
内山  実は私どもではこの度、新しくパイ工場をつくりました。菓子業界の環境変化を見据える中で、菓子店の皆様がなさるパイやシューのような非常に手間のかかる生地の仕込みを、私たちがお店のオリジナルレシピをお預かりして代わりに作業することで貢献できないかと思ったのです。
なんといってもパイの仕込みには日数がかかりますから、折りパイの半製品を使うことは菓子店の工程人件費を下げるためにはとても効果的です。
「それは助かる。」ということであればお手伝いしたいと思うのです。そのことについてのムッシュのご意見をお伺いしたいのですが。
三嶋 パイ生地は半製品をとっている菓子店が多いのではないですか。やっぱりパイというのは面倒で時間がかかります。自分のオリジナルのレシピでOEM生産してくれるのなら、それを望む店はたくさんあると思います。  こういうことに取り組んでいかないと菓子店の完全週休2日など実現できません。
内山  弊社には冷凍生地の製造販売をしております食品部門がございますが、私が考えていたよりも大きく伸びており、菓子店様がだんだんご自分ではやれない時代が本当に来たのだとひしひしと感じております。
三嶋 新工場の写真を拝見しましたが凄いですね。作業スペースの広さといい、機械といい、衛生管理といい、驚きました。これだけの設備でやるからにはきちんとしたものができると思います。大したものです。
うちのパイはつくり方にこだわっていてとても特徴があるのですが、もし七洋さんが本当に全く同じようにやってくれて、品質的に大丈夫だと思えたらOEM生産を頼むかもしれません。もし頼んだら、作業の効率は相当大きく変わるでしょうね。
内山  ありがとうございます。今から新工場を稼働させて、お客様のために全力でやって参ります。

材後記

七洋製作所 本社
代表取締役社長
内山 素行

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