札幌市清田区
有限会社ぺシェ・ミニョン
電話 011-376-0260
今回は、「スナッフルスさっぽろ清田店」の取締役工場長 渡辺様にお話を伺います。「スナッフルス」の本拠地は函館ですが、2010年6月に新千歳空港と札幌中心部の間に、工場・店舗として、札幌店をオープンされました。渡辺様はその工場における計画・準備・設計を一手に引き受けられ、札幌地区の製造責任者でありながら、函館本部の通販事業も担当されています。函館、札幌間を忙しく行き来されながら、さらに新しい計画に向かってチャレンジしておられます。
お声掛けの言葉
渡辺 私は初め、販売からスタートしました。「スナッフルス」の看板商品のオムレットの販売のため空港は勿論、物産展などにも多く行きました。たくさんの出店がある中、買っていただくために、まずやったことは徹底的に試食をしてもらうこと。ただ10年前は試食をしてくれる方が非常に少なかったんです。そこで食べてもらうためにあらゆる表現を考えに考えました。
販売員がお客様へお声を掛けるときも「美味しいですよ」とか「ご試食いかがですか」という言葉は決して使いません。原則として、美味しいかどうかはお客様が決めることだからです。自信はありましたが、決して、お店側が食べていただく前から「美味しいです」と表現してはいけないと思っていました。私たちが使った言葉は「他と比べてください」などでしたが、当然、他社は気分が良くない。主催者側から、表現に気をつけるようにと遠まわしに言われたこともありました。それでも、とにかく食べてさえいただければわかってもらえる、という思いは強く持っていました。
自分が食べて美味しいと思ったものを、大切な人へのお土産に選ぶことが旅の集大成だと思います。配るのではなく、贈る。「ありがとう、美味しかったよ」と贈った相手に言ってもらえて、初めて旅が本当に良かったと完結できるのではないでしょうか。そういったことをお客様にうったえたりしてましたね。見た目が素敵で購入して、失敗した経験はありませんか?とか……今でも言ったら怒られますね。
そして、お客様に「美味しいね」と笑顔で言われた時が本当にうれしい瞬間です。自分が販売する商品がこれでよかったなぁ、とよく涙していました。「すべては、お客様のために」。この言葉を胸にいつもがんばっています。
主力商品・オムレットについて
渡辺 2000年にANAフェスタ様から、前社長の中澤に「函館の空港はお土産が海産物しかないから、お菓子を出したい、函館を代表するものを考えてほしい。」という要望があったのが始まりでした。鮮度にこだわるぺシェ・ミニヨンとしては難しさがありましたが、熱心な頼みを受けて、製造日と消費期限を入れるという条件で、販売を始めました。2年後には1日に1万5000個から2万個製造するまでになりました。
シンガポール出店について
渡辺 昨年11月に社長の中澤が、シンガポール在住の日本人の方を知り合いに紹介して頂いたのがきっかけです。
シンガポールは、人口570万、国土は淡路島より少し大きい国です。出店の場所は、シンガポール最大級のショッピングモール、飲食店や物販店が集まった一角で、本当に人が多く賑わっています。シンガポールは、非常に日本食が成功している国でもあり、いたるところに日本の看板がかけられ食事時には行列ができています。ただ、日本の”北海道の”スイーツで賑わっている光景はほとんど見ることができませんでした。そこで、北海道の良さをこの国の方々に知っていただき、喜んでもらいたいと思い、出店する方向で進めることになりました。
その出店に際して、七洋の内山社長にわざわざ現地まで来て頂き、アドバイスを頂けた事には本当に感謝しています。
販売するものは、オムレットのチーズケーキとショコラケーキに絞り込みました。商品は日本と同じですがパッケージは高級感を出し、現地で縁起が良いとされる赤を基調とした箱にしました。
また、もともと鮮度を大切にしてきたこともあり、新商品としてマンゴーを使用したチーズタルトを、店先でというよりお客様の目の前で焼いて即販売という方法を取りました。そのため、スルーオーブンエボタイプ〔特注〕を購入させてもらいました。
七洋さんのオーブンはたくさん使わせてもらっていますが、今回のスルーオーブンは、インパクトもあり、お店の顔となります。シンガポールのお客様に、美味しさと驚きを提供し ていけるよう全力を尽くし、また多くの方に”函館”をアピールしてきます。
デポジッターについて
市丸 今年の7月に、七洋製作所のデポジッターをご購入いただきありがとうございました。正直、一号機ということで不安があったと思いますが……。
渡辺 そうですね。工場のスタッフからも不安の声があったのは確かです。ただ私は、福岡の本社へ伺って、デポジッターを実際に使ったテストをさせてもらい、機械的な不安はなくなっていました。しかしなんといっても1号機ですので、不具合が出たら工場スタッフに迷惑をかけますし、また、出荷が遅れたりするとお客様に迷惑をかけるのではないかなど、いろいろ考えました。しかし、本社で、内山社長から「自信はあります。」と言われた言葉にかけてみることにしました。これから七洋さんと一緒に成長できて行けたらいいなと思いました。内部の説得の為、社長の中澤はじめ役員を連れて再度福岡へ伺い、機械を実際に確認してもらい購入を決めました。
その後、順調に活躍してますし不具合は出ていません。
終わりに
渡辺様から感じたのは、まず「お客様のために」という思いです。それから私どものような関連会社に対しても、「お客様のために一緒にやっていこう」という強い気持ちをもっていただいていると感じました。お話を伺ったのが2013年7月下旬です。このプレスが皆様のお手元に届くころには、シンガポール店もオープンされていると思います。次にチャレンジがあるときにも、少しでもお力になれるよう、七洋製作所も成長していきます。
取材後記
取材
七洋製作所 執行役員 東京支店長
市丸 隆