香川県高松市
株式会社 ルーヴ
電話 087-869-7878
香川県高松市にオープンして以来、地元の人々に愛され、バースデーやウエディングなど、一生の幸せなイベントに欠かせない存在となった「菓子工房ルーヴ」様。2014年の12月クリスマス前に”空港通り店”の敷地内に「LOWE菓子創造研究所」を完成されましたが、この大きな改革を実行されたのには、理由がたくさんあったと思います。また、ラボが稼働して1年経ちますが、何か変化がございましたか?開店以来30年以上もの長い間、美味しくリーズナブルにケーキをお客様へご提供し続けておられること、そしてウエディングケーキにも力を注がれている点について詳しくお聞かせ願いますか。宜しくお願い致します。
ラボについて
今までは、売上が増えるにつれてパティシエも増え手狭になりますから、”空港通り店”の周りの土地を少し購入して工場を建て増し、またスタッフが増えたら工場を立て増す。こうした繰り返しをしながら、お菓子を製造する場所を拡張していきました。
この継ぎ足しによる工場の拡張は、本来私が求めていた”ラボ機能”とはほど遠く、いつも”目の前の急場”をしのぐために動いていて、結局後手に回っているような気がしていました。生産性、労働力、機器選択、効率、衛生面、安全性、スタッフの管理、作業面の複雑化などすべての面で、様々な問題が多々見えてくるようになってきました。
今回、この多くの問題点から脱却することと、これからもお客様に「ルーヴ」のより良いサービスをご利用していただくために、4年前から本格的に”ラボ建設”について協議し始めました。
まず必要なことは、「経営者の意識改革」抜本的なイノベーションだと感じ、「ルーヴ」の考察力と技術力、全ての枠を終結させた”ラボ”を考えるようにしていきました。
以前から七洋さんの「スチームラックオーブンZEN」の評判をいろいろとお聞きしておりまして、具体的にどんなことが可能なのか大阪支店へ出向き確認させていただきました。
機能面としては、風量、ダンパー、高圧スチームなど組み合わせて、いく通りもの焼き方ができること。特に高圧のスチームをいつ、どのタイミングで、どのくらい入れるかによって、今までの”焼成の概念を一新する”焼成をすることができ、スチコンとは全く比較にならないレベルの差を見せつけられました。
また七洋さんの提案「3本の矢」絞る!焼く!切る!この3つの柱は、人手不足の時代にとてもマッチしたものでした。
今回、私どもの”ラボ”で、七洋さんのマシンを導入したものは、オーブン5台、バッケンデポ1台、バッケンカッター1台です。「焼きの即効性」を最重要視しました。その中のオーブンは「バッケン4枚差3段」を2台、「スチームラックオーブンZEN10枚差」を1台、「スチームラックオーブンZEN20枚差」を2台導入致しました。
もちろん他のマシンも多く導入しましたが、今回の”ラボ”のポイントは「焼き」でした。ですから、「バッケン」の安定した焼成力、「スチームラックオーブンZEN」では、大型ボイラーから出る細かな蒸気の粒子がミストの状態で生地に浸透するため、心地よい食感に焼き上がり、焼きと蒸し、いわゆる”焼き蒸し”ができます。これによって「ルーヴ」に新たな商品が生まれ、今後の「ルーヴ」を強くすると思っています。
「バッケンデポ」では、シューやマカロンなど丁寧に生地を絞り、「バッケンカッター」では、”朝生ケーキ”を次々とカットしてくれます。
このような比較的に単純な仕事は、人の手をかけなくても機械が正確に文句ひとつ言わずにやってくれます。
その結果、焼成の前工程・後工程、すべてにおいてクオリティーの高い仕事をしてくれる、頼もしい七洋さんのマシンが揃いました。
仕事効率もあがり労働時間が大幅に短縮できたのは七洋さんのおかげかもしれません。
ウエディングについて
「ルーヴ」のオリジナルブライダルギフト「アニベルセル ルーヴ」は、ご結婚されるお二人の感謝の気持ちと、さりげなく優しい心のセンスがゲストの方々に伝わるようにお手伝いしております。どのような事かというと、一生の思い出となるこのウエディングケーキは、専任のアドバイザーと一緒に形や大きさ、段数など、またお二人の大切な思い出や、ゲストが喜ぶバラエティ豊かなデザインで、今では年間1500台のオリジナルウエディングケーキをご提案させていただいております。同時にお客様のご希望に合わせて引菓子もお作りしています。
お菓子について
高松の人口は40万人弱と年々減っており、地域では閉鎖するお店も、ますます増えてきています。この世情の中、生き残りをかけて「地域ナンバー1」であり続けるためにお店では、生ケーキ50種類、アントルメ20台、半生や焼き菓子を入れると100種類のお菓子を販売しております。
お客様はお菓子の価格にもシビアになっています。我々も材料が高騰する中、いかに利益を生むことができるか、それは数を出すしかないことになります。”アルハンブラ”という”チョコレートケーキ”は130円、”シュークリーム”は120円、”生ケーキ”は350円前後がほとんどです。
また、香川県産の和三盆や希少糖、生乳を使用した「讃の岐三みるくつつみ、ちょこつつみ」や「むしどらやき」「焼きドーナツ」なども和スイーツの看板商品として育てていっています。
《会社沿革》
- 1978年4月 香川県高松市古馬場町にルーヴを開店
洋菓子・パン・チョコレートの店を開業 - 1985年9月 有限会社ルーヴを設立 本社を高松市古馬場町に置く
- 1990年1月 高松市番町に番町店を開設
- 1999年9月 高松市鹿角町に空港通り店を開設
- 2002年10月 本店を古馬場町から鹿角町に移転
- 2002年11月 有限会社を株式会社に組織変更し設立
- 2006年7月 空港通り店リニューアルオープン
- 2012年4月 さぬき菓子工房おんまいを丸亀町グリーンに開設
- 2014年12月 LOWE菓子創造研究所完成
取材後記
"ラボ"の完成により、スタッフの方々が更に、生き生きとされていることに感動致しました。技術、素材、鮮度を1つも落とさないことで地域のファンを増やし続け、進化していく様子がこの先も想像できます。また、これからの日本の菓子業界が向かい合わなくてはならない多くの問題に、スタッフの皆様は高い意識で乗り切られることだと思います。進化し続ける「ルーヴ」様、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
取材
(株)七洋製作所 大阪支店