なるほど、スタッフ・セブンですか。
これからも「一緒に描いた夢の絵」を実現しましょう。

福岡県福岡市

お菓子の工房 オペラ

代表

濵田 一郎 様

福岡県福岡市

お菓子の工房 オペラ

電話 092-611-1197

内山  濵田社長とお会いして、もう12年になりますけれど、お店のオープンにバッケンを使っていただいたことから始まりました。マンションの一角にある20坪の店、よくあるケースのお店でした。あまり立地が良くない場所で営業され、新店舗をオープンできるまでになられましたが、このご成功の一番のきっかけは何だったのでしょうか。

松浦  それは、もうシュークリームでしょうね。「濵田シュー」をお客様の目の前でカスタードを詰める実演販売をしたことです。シュークリーム=客数です。シュークリームでたくさんのお客様を集客できた。それがあったから伸びることができました。狭い店を何回も何回も改装してきて、ほんとにあの店では考えられないくらいお客様に来ていただけるようになりました。8坪の売り場で結局年商2億7千万円まで行き、あの店の規模ではもう限界でした。

内山  その中で、お店にもいろいろな段階があったと思うのですが、たとえばよく言われる年商5千万円の壁、1億円の壁、1億5千の壁、2億の壁がありますが、どの壁が一番厚かったですか。

松浦  何と言っても1億円の壁ですね。

内山  全国のお菓子屋さんが1億の壁が破れずにやがて失速して行くお店が非常に多いのです。この1億円の壁を破った大きな引き金は何だったのでしょうか。

松浦  やっぱり、人ですね。7千万円、8千万円の頃には、「売り上げが1億円になったら人を入れよう」と思うのです。どうしても後手の発想になりがちなのですが、そうではなくて、1億円分のお菓子を作れるスタッフを売上7、8千万円の頃に用意しようとするかどうか、そして、用意できるかどうかが大切だと思います。それと、お客様のために次々と商品開発をしたかどうか。こんなお菓子はどうか、喜んでもらえるのではないかと、オペラならではのお菓子をスタッフ全員で一生懸命に作る。その2点じゃないかと思うのです。

内山  バッケン2枚3段から始まって、ヨーロピアンクラシック1枚4段が入って、また、第2工場にバッケンが入って、ZEN10枚が入って、南蛮デポが入って、1枚差し4段とバッケンスルーを入れ替えて、お客様への販売のプレゼンテーションと添うように、製造の面もどんどんと進化されました。そして、15センチの5段を導入されて生産性をさらに高め、絶えず商品を売ること以上に作ることに重点を置いて進んでこられました。

松浦  はい、それがすべてです。
お客さんが目の前にいらっしゃっても売るお菓子が無いのでは話にならないわけですから。きちっとお菓子を作れたということがとても大切なことでした。

内山  やはり、最大のロスはチャンスロスですね。ところで新店舗の広さはどのくらいでしょうか。

松浦  総坪数は530坪、建坪が100坪、駐車場が40台分です。売り場が25坪、厨房が40坪、あとは事務所スペースなどですね。スタッフは正社員が21名、パート・アルバイトが23名おります。

内山  今回の新店舗で、一番気を付けられたことは何でしょうか。

松浦  店が大きくなったら、やっぱり敷居が高くなる、そういう風に見られがちです。異業種の飲食店でもよくありますが、店をきれいにしたり大きくしたら味が落ちたと言われることってありますよね。それを回避するために、本店でやっている接近戦をさらに強化し、ヨーロピアンクラシックによるシューとドーナッツの実演焼成とバッケンスルーエボリューションタイプによる焼き立て感のさらなる演出、この両面から、お客様の五感に訴えるようにしました。

内山  売り場が本店の3倍に広がりましたが、新商品はどれくらい増えましたか。

松浦  オペラ・ド・バームと言うクーヘンカステラ1種類だけです。

内山  たった1種類ですか。8坪の本店の小さな売り場にぎっしりと商品が詰まっていたと言うことですね。

松浦  そうですね。自分でも驚いています。こんなにあったのかって。新商品として出したクーヘンカステラは引き出し鉄板付きのエボリューションじゃないと焼けません。焼き立ての臨場感もすごくいいし、石張りのデザインはすごく高級感があります。

内山  チルドマルシェ(タワータイプ)を導入していただき、冷蔵の半生菓子のつかみと平台のつかみを組み合わせましたが、いかがでしょうか。

松浦  よく売れますね、素晴らしいです。このチルドマルシェで半生菓子が売れるのはもちろんですが、マドレーヌ、フィナンシェなど、半生菓子でなくてもここに置いたら何でも売れます。まさに、「チェンジアブル・ユニット」ですね。普通のオープンケースと違って、上にもお菓子が陳列されているということで、目線がいいですよね。お客様が半生菓子をつかめると言うことが、ものすごく大事なのだと初めて気付きました。ショーケース越しにあれください、これください、ではよくわからないし、頼みづらいお客様もいらっしゃることもわかりました。半生菓子をショーケースに入れて販売するのとチルドマルシェに入れて販売するのとでは、売り上げの数字があきらかにちがいます。

内山  なるほど、お客様も買いやすくなったわけですね。

松浦  おかげさまで新店舗は順調にスタートしました。しかし、思い返せば莫大な投資をして新店舗をオープンした今回よりも、売り上げが3千万円行くか行かないかくらいの時にやった本店の2年目のリニューアルの方がはるかに勇気が要りました。今までで一番根性が要りました。怖かったです。大丈夫かな、大丈夫かなと本当に不安でした。しかし、あれがなかったら今はありませんでした。

内山  そうでしたね。あの時の奥様の一言「おもしろいじゃない、やろうよ!」という一言が忘れられません。普通は奥さんが反対されます。奥様の決断が大きかったですね。

松浦  私も驚きました。家内が「いいやん、それやろうや!」って感じで、そうしたら私も「いいと!」「おれやるよ!」って。家内も七洋さんの提案に感心していましたし、信頼していましたから。内山さんの「店の中に店を作る」という言葉に説得力があったのです。
「店の死に場所」にもうひとつの店を作りましょうと言う提案でした。あれがなかったら今もない。あれがなかったら第2工場の発想もありませんでした。あれがなければ5、6千万円くらいでせいいっぱいだったと思います。4、5人のスタッフで毎日「売れんなあ?」と言っていたでしょうね。あの時に、メーカーとお菓子屋とが同じ土俵で話をしてビジネスを組み立てて行くことの大切さを学びました。

内山  1年前だったでしょうか、今回のお店を作る時に濵田社長の想いを私が伺って、それをひとつひとつ絵にさせていただきました。主に売り場でしたね。社長が今まで描いておられた11年間の想い、ここはこうして、こうしてこうしたいと言う熱い想いを感じました。それを一生懸命絵にしました。そしてその絵をベースに濵田社長と一緒にこの店のイメージを作り込みました。そのことが濵田社長のおっしゃる、メーカーとお菓子屋とが同じ土俵で話をしてビジネスを組み立てて行く新しいやり方のひとつかもしれませんね。

松浦  七洋さんとのお付き合いの目線が同じ高さだったから、感じ取っていただけたのだと思います。内山社長の場合は機械屋なのですけれど、機械屋だけでなくていろんなノウハウをお持ちです。同じ立場で話したら得すると言うか、一番大事なのはそこに気が付けるかどうかです。七洋さんは機械を売って、売りっぱなしの会社でないことはみんな知っていると思います。本当はそこから先のお付き合いが大事で、たとえば私が出張に行くのが年間10回くらいだとすると、まわれるお菓子屋さんは50店くらいです。内山さんはその10倍以上の出張をされているわけですから、もう600店舗以上のお店を回っていらっしゃる。何が問題で、何が繁盛のポイントであって、何が今の流行りなのかを数多く見ているわけですから素直に聞けばいいだけのことでした。

内山  濵田社長からご信頼いただけたことで、私も存分にご提案できました。ありがとうございました。生意気なことも申しましたけれど、社長にしっかりと受け止めていただけました。

松浦  借金抱えてやるわけですから、信頼がなければこちらも思い切って飛べません。その信頼関係がないとやれないですよね。やれない、絶対に。そこが一番大事な部分です。我々も日々の営業の中で、お客様との心のやりとりがないといけない。物だけを売る業態ではないのですから。ましてやお菓子は嗜好品ですから、お客様に買いに来ていただけると言うのは、何かしら商品を通じて喜んでいただける空間なり、心があるのだと信じています。 厳しい現実の中で、いかに売り上げを上げるかが第一で、お客様の顔が見えなくなってしまったらおしまいだと思っています。お菓子屋ならやることはひとつ、「お客様に喜んでいただけるお菓子」を作って行こう。それが私の永遠のテーマです。作って行く菓子が独りよがりになったら買っていただけないだろうと思います。そうならないために七洋さんとお話しさせていただいて、いろいろな情報を吸収して、自分のやりたいことも相談して聞いてもらって、絵を描いてもらう。今回の新店舗作りはとても効率的でロスがありませんでした。目的までスムーズに到達できました。お互いに肌で感じた時代性を語り合い、それを商品に、また店づくりに反映させる。そこが大事だと思います。

内山  私どもは、こうした取り組みを「スタッフ・セブン」とネーミングして、菓子店の皆様ととことん向き合う中から、繁盛する店づくりをお手伝いさせていただきたいと思っております。私たちも真剣勝負しますから、菓子店の皆さまも真剣勝負してくださいというスタンスです。

松浦  「スタッフ・セブン」ですか。なるほど。「スタッフ」という言葉には「参謀」という意味もありますよね。七洋さんはまさに私の参謀ですね。いい名前です。これからも一緒に描いた夢の絵の実現をしましょう。次は、本店を改装します。

内山  また、スタッフ・セブンで絵を描かせてください。

松浦  もちろん、よろしくお願いします。

材後記

(株)七洋製作所 代表取締役
内山 素行

お問い合わせ

お困りのことがございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。