『瞬間の喜び』を大切に

福岡市早良区

ラトリエ・ドゥ・フラウ

代表取締役 社長

山本 誠児 様

福岡市早良区

ラトリエ・ドゥ・フラウ

電話 092-400-7608

今回取材に関しましては 特別にご配慮いただきましてありがとうございます。

上田  まずは、簡単なプロフィールをお教え願えないでしょうか?

山本  アンリ・シャルパンティエに11年間勤めていました。そのうち商品開発に10年間携わってきました。
その後自分で会社を興してスィーツのプロデュースを行いました。会社を始めて10年になります。8年間はプロデュース業のみでした。ラトリエ・ドゥ・フラウ(以下 フラウと省略)は2009年1月に開店しました。

上田  勤めていたときとフラウとの違いは?

山本  それほど変わらないと思っています。違うのはその規模と生産への人のかかわり方だと思います。やっている基本は一緒です。

上田  ご出身はどちらでしょうか?

山本  京都です。今回福岡を出店場所に選んだのは(1)住みやすい(2)九州が食材の宝庫である(3)店舗等の条件面などの理由で選びました。特に食材に関してはその豊富さとクオリティの高さには注目しています。それを生かした商品作りがフラウの特徴でもあります。

上田  フラウのコンセプトはどんなものでしょうか?

山本  ラトリエ・ドゥ・フラウとはフランス語とドイツ語ですが、ご婦人たちが集うアトリエという意味で、そのスタイルを意識したヨーロピアンスタイルです。
フラウのHPには8つのコンセプトを上げています。(1)スポンジは朝焼き(2)保存料を使わない(3)パンも手作り(4)焼き菓子は冷凍保存しない(5)キッチンに殻つき卵を持ち込まない(6)九州や地元産のおいしい素材を積極的に使用する(7)目配り・気配り・親切なホスピタリティある接客を目指す(8)見て楽しくワクワクするようなケーキやパン デザインにもこだわる。要約するとこんな感じです。またお店の導線は広く取っています。これはお子さんをベビーカーに乗せたままでもお買い物ができる様に配慮しました。

上田  特に鮮度にはこだわっている感じがしますね。

山本  はい。それは専門店として最大のホスピタリティだと思っています。出来立ての商品をお客様にお届けする。まさにジャストベイクです。オーブンがお客様に近いところに配置されているのもその為です。生の仕上げと違い 迫力があり香りも出る。その臨場感を店内にも伝えて販売にも繋げています。特にパンのほうはダイレクトに出す事を心がけています。「生」のエレガントな部分と「焼き」の臨場感、その2本立てがフラウの柱となっています。厨房の中はいつも綺麗な仕事ばかりしているわけではないので、すべてをオープンにするよりも見せたい部分だけ強調して見せる方が作業性もよくピンポイントで迫力も出せます。

上田  オーブンが2台ありますが使い分けをされているのでしょうか?

山本  1台はハード系のパンを焼くために石床仕様にしてもらっています。それ以外のパンは特にこだわらずお菓子と同じオーブンで焼いています。使ってみて感じることはバッケンでパンを焼くとふっくらと上がる。適温を1度見つけてしまえば、思い通りに焼ける。お菓子の焼成に関しては安定性・使いやすさ能力の高さは信頼しています。スタッフも上手く使えるので安心です。

上田  生のアイテムが少ないような気がしますが?

山本  まずは今のこのケースにはこれ以上は入りません(笑)それを狙ってわざとケーキを沢山並べることができないケースにしました。アイテム数をむやみに増やす事によって、生の生産に追われてしまうと工場も製造のスタッフも大変になる事は以前から分かっていましたので、あえて絞り込んだアイテム数にしています。そのかわり季節やイベントに合わせて、旬な食材を使った新商品が入れ替わりながら並ぶようにしていますのでお役様には楽しんで買い物していただいています。現在、プチガトーは20から24種類くらい並んでいますが、常時30種類位の懐は持っています。

上田  プチガトーの種類が少ないとお客様にご指摘いただくことはありませんか?

山本  その点ではお客様に恵まれているのかもしれませんが、新作を楽しみにご来店いただくお客様が多数いらっしゃいます。逆に新作が出てないとご指摘を受ける事はありますね(笑)それとフラウのケーキは大きく作っています。これは関西のケーキの迫力を知っていますのでそれを意識的にここで表現しています。

上田  スタッフは何名いらっしゃいますか?

山本  パンのスタッフも含めて9名います。スタッフが1週間の生産計画を予め作り、それに合わせて材料の発注・人数の割り振りなどをやってもらっています。
大事なのは、生産と設備の関係だと思います。現状ではバックヤードに余裕が無いために思い切ったことができません。
今回、別の場所に工場を作る予定(読んでいらっしゃる時点では出来ているかもしれません)にしていますが、それは焼き菓子を今からもっと伸ばす為にどうしても必要なものだと思います。今の状態では特注をいただいても生産が追いつかないために、スタッフに大きな負担を掛けてしまうだけでなく、お客様を待たせてしまうことにもなります。或いはそのチャンスをロスしてしまう可能性だってあります。チャンスロスやロスタイムをいかに減らせるか。そうする事でお客様にいかにご迷惑をかけなくてすむか。それがひとつの目的です。その為のバッケン(BKS―F24T)も新工場には入れる予定にしていますから。
焼き菓子は新しい工場で作って外に持ち出せるようにしたい。パンと生については今までどおりフラウの店内で作って、焼きたて・作り立てがアピールできるようにしたいと思っています。

上田  最後に山本さんが目指すものは何でしょうか?

山本  専門店ならではの部分を伸ばしてゆきたい。鮮度や材料をこだわり続けます。それと接客という面ではプロ集団でありたい。お客様に優しい接客或いはお客様に親切な接客を目指しています。名前の様にご婦人(女性)が集うアトリエでありたいですね。いつもスタッフとお客様との会話が飛び交うお店にしたいです。

材後記

(株)七洋製作所 営業次長
上田 清孝

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