“繁盛し続ける”
老舗の名店には理由がある
死ぬまで勉強、一生チャレンジの精神

福岡県福岡市中央区港

天然酵母石窯パンの店 シモン

代表取締役

平田 健太郎 様

福岡県福岡市中央区港

天然酵母石窯パンの店 シモン

電話 092-741-6175

1948年創業の有名店「天然酵母石窯パンの店 シモン」平田社長は御年88歳。いまだ現役バリバリの職人であり福岡市パン共同組合の理事長も務めておられます。ものづくりマイスターにも認定され、多くの企業から食品や経営に関しての相談を受けるご意見番でもあります。
職人歴72年という大先輩から、大変貴重なお話を聞かせていただきました。

パンは「大きく焼いて、小さく食べる」

内山 これまで長くやってこられて、今の業界をどう見ておられますか?
平田 私が始めた頃は食料難でパンなら何でも良い時代でした。その後、大手がオートメーション化して町の小さなパン屋には苦しい時代がありました。潰れる店も多く、いくつかのパン屋が合併したりもしました。そして今は中間が無くなってきた。大手と小さいお店だけ。うちは有難いことに長い間多くのお客様に喜んでいただいています。
内山 私は以前よりシモンさんの大ファンで良く利用しておりました。中でも「ソフトフランス」は、食べると口の中でフワッと消えてしまうような、本当に口どけの良い食感ですよね。初めて食べた時は、驚きました。
平田 日本人は硬いパンを好みません。欧米人に比べてあごの力が弱く、唾液の量が少ないからです。そこで、バケットに変わる日本人が好む「食事に合うパン」をと考えました。しっとり柔らかく、飽きのこないパンです。
シンプルな味なのでサンドイッチにしても良いし、料理にも合います。ステーキ店など、飲食店でも多く使われています。でもシンプルが一番難しい。最初は10本も売れなかった。改良に改良を重ねて今に至ります。発売から約20年、多い時は1日に300本焼いています。
内山 なぜ、これだけ大きなパンになったのですか?
ものすごいインパクトで、迫力がありますね。
平田 パンは「大きく焼いて、小さく食べる」のが一番美味しいのです。
「窯のび」と言いますが、生地が良く伸びて良く膨らんだパンは美味しい。でも大きく焼くのは難しい。中までしっかりと火を通しつつ、表面が硬くならず、後でへこまないように焼かないといけない。
この大きさと柔らかさで、これだけの高さを出せるパンは、なかなか無いですよ。セブンを導入して、さらに浮きも焼き色も良くなりました。

セブンの焼成能力

内山 今回、「ベーカリーオーブン セブン」を導入していただきました。初めて焼成された時、「長年追い求めていた理想のソフトフランスはこれだ!」とおっしゃられたのが印象的でした。その後、セブンの調子はいかがですか?
平田 本当に良いです。
優しい火がまんべんなく包み込むようで、非常にきれいに焼けます。これまで経験したことが無い窯伸びと色付きで、フワッと焼きあがる。
ムラ火が無いので、大きなパンでも途中の反転作業がいらなくなりました。以前は6本でもムラがあったのが、セブンなら10本並べてもムラ無く焼けます。誰でも簡単に失敗なく焼ける、こんなオーブンは初めてです。私はこれまでに世界中のオーブンをいろいろと試してきましたが、これまでのオーブンとは全然違う。
内山 喜んでいただけて良かったです。
そして今回、ソフトフランスのミックス粉を七洋から「パン オ パッション」として販売させていただくことになりました。なぜ商品化しようと思われたのですか?
平田 これだけ多くの人が喜んでくれるパンです。それを自分ひとりで日本中に広めることは出来ない。もっと多くの人に喜んでもらいたいという想いです。お金儲けでは無く、経営の厳しいパン屋さんを応援したいという気持ちもあります。これを目玉商品にして喜んでもえたら、お店の利益にも繋がりますからね。

お菓子屋さんにもパンを

内山 私どもはお菓子屋さんにもこのパンを提案していきたいと思っています。
平田 すごく良いと思います。パンは客単価は低いが客数は多い。菓子屋さんなりのパンを売れば強い。
菓子とパンの違いはタイミング。パンは発酵があるので焼くタイミングが重要です。それが、このミックス粉を使えば簡単に出来る。バケットよりすごく簡単なので、お菓子屋さんにもおすすめです。マニュアル通りにやれば、うちと同じソフトフランスも焼けます。
内山 食パンや菓子パンにも使える点が、また良いですね。
平田 卵や乳製品を入れることで、高級食パンやコッペパンなどいろいろなパンができます。
セブンで焼けば、かなり良いパンが焼けますよ。
内山 この画期的な製品を七洋に託していただきありがとうございます。一生懸命やります。
最後に、平田社長が大切にされている心の言葉を教えてください。
平田 それは、「死ぬまで勉強」です。
私は講習の講師もしますが、今でも東京まで習いにも行きます。謙虚に学ぶ姿勢が必要、自惚れたらダメです。新しいものを取り入れ、チャレンジする。それが大切です。
内山 本日は、大変貴重なお話をありがとうございました。

材後記

とてもバイタリティに溢れ、エネルギッシュな平田社長からは、次の目標や夢についてもお聞かせいただきました。そのチャレンジ精神には脱帽です。
良い時ばかりじゃない長い歴史の中で、どんな時世でも成功し続け、繁盛しているお店はある。
その秘訣、「死ぬまで勉強、一生チャレンジ」という素晴らしいお手本を見せていただきました。
2020年、新しい年の幕開けにふさわしい、貴重なお話をありがとうございました。

七洋製作所 本社
代表取締役社長
内山 素行

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