72歳を過ぎても、
まだまだ職人魂を燃やします。

東京都世田谷区

昭和製菓株式会社 蜂の家

丸山 光弘 様

東京都世田谷区

昭和製菓株式会社 蜂の家

電話 03-3411-3314

内山  今から25年前の昭和62年に南蛮窯を入れていただき大切にお使いいただきました。そして、今年の11月に新たに南蛮窯をご購入いただきました。ありがとうございます。最初の南蛮窯を販売納品させていただいたのは私です。弊社もようやく東京に支店を出したばかりで、あのころは実演して営業フォローして、とにかくがむしゃらに仕事をしていました。ですからとても思い出深く覚えています。

丸山  本当ですか。内山専務とは思いませんでした。それなら相当若かったですよね。合羽橋の道具店から、オーブンの実演をしているので見に来ないかと誘われて、見に行ったのが南蛮窯との出会いでした。先代と一緒に見に行ったのを覚えています。その時、若い社員の方が焼成実演をしていました。カステラの艶と上がりの良さに先代と二人で感動し、後日契約させていただきましたね。

内山  本当にありがとうございました。

丸山  南蛮窯は自動の温度調整や、工程を記憶していて時間も管理してくれた。当時のオーブンとしては画期的でした。一人でやっていた私にとってはとても助かりました。それまで使っていたオーブンは自分の感覚で温度調整しなくてはいけなかったから大変でした。南蛮窯が入ってからは、いろいろ試してやろうという楽しみがわいてくるようになりました。
今度入れてもらった新しい南蛮窯は、火の入り方がすごく柔らかい。前よりもしっとりと上がりますね。表示も大きくてわかりやすく、温度も確実に出ます。

内山  ありがとうございます。

小島  丸山がカステラを焼き始めて30年くらい経つのでしょうか、もちろん手前味噌な話ですが、彼が焼くカステラが日本で一番おいしいと思っています。もう72歳です。これだけの職人はなかなかいません。この年齢になってもまだまだ向上心がある。もっといいものを、もっといいものをと言う気持ちがすごくあふれています。

丸山  私は昭和32年10月に今の会社の前身に入社しました。もう50年以上経ちましたね。製造は最中がメインですので最初は餡場から初めて、毎日餡を炊いていました。やがて仕事を引き継ぐ形でカステラの焼成を始めました。以来、お客様に「美味しい」と言っていただけることがやりがいとなって、ここまでやり続けられるのだと思います。井の中の蛙で大海を知りませんから自分のレベルがどれくらいなのかはわかりません。

小島  彼の妥協を許さない職人気質はとても素晴らしい。夜遅くまで残って作業をするのをよく見ましたし、納得できなかったら全部捨ててしまうようなこともありました。こうした魂のようなもの若い人にも継承してもらいたいものです。

丸山  ちょうど今、若い人に、教えています。できるだけ今の状態の物を作れるように後輩の人たちに頑張ってもらいたいと思います。

内山  カステラを焼くポイントは、どのようなところにありますでしょうか。

丸山  一番大切なのは、焼く時の体調ですね。体調が悪いと絶対に良い物は焼けません。集中力がなくなりますから仕上がりが悪くなります。生地を仕込むところから焼成し、仕上がるところまで、集中力を切らせてはだめなのです。毎日、同じようにやっているように見えるかもしれませんがどこかが違うのです。気温も湿度も毎日違います。同じ生地を比重など数字通り仕込んでも、まったく同じ状態にできるわけではなく、やはり、生地の艶を目で確認します。感覚と身体で覚えておかないと安定したカステラの焼成はできません。
また、泡切りと言うのは、結構慣れないとできませんし、その人の切り方があります。泡切りと言うのは空気を生地から出すだけではなく、中心部に早く火を通す作業なのです。これによって全体的に均一な物が上がります。どうしても枠の周りに火が入りやすい。泡切りしながら枠の中の温度を一定にすることでいい物が上がるのです。微妙な所は言葉では伝えられない。経験を共有することで初めて伝わります。自分で経験して失敗して身体で覚えてほしいと思います。

内山  これからも丸山様の焼成される職人技を楽しみにいたしております。お忙しいところありがとうございました。

材後記

(株)七洋製作所 専務取締役
内山 毅一

お問い合わせ

お困りのことがございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。