神戸市北区にお店を構える「菓樹工房　ユーカリプティース」は、1992年11月にオープン。今年で17年目を迎えます。創業以来「地域密着」を真摯に取り組んでこられ、成長する中で「更に美味しく」「更に無理のないお菓子作り」を取り入れたい考えから私共との接点が生まれ、2007年11月にまだ誕生して間もない「スチームラックオーブン」1号機の導入をして頂きました。

中村  “ユーカリプティース”とは、”ユーカリの木”という意味です。ユーカリは大きく根を張り成長力が強く広く葉を広げます。私は自分の店をこのユーカリのように広く大きくお客様に育てて頂きたいと想いながら店作りをしてきました。日常食べるお菓子はもちろん、バースデーや記念日には必ず選んで頂きたい。その為には味・価格・ボリューム・接客含め最高のサービスに徹する事が譲れません。そういう私の想いについて来てくれるスタッフ（製造18名・販売15名）とともに日々お客様と向き合って頑張ってます。
デイリーからギフトへ順調に伸びるにつれ、製造能力が徐々に不足してくるようになりました。売り場は改装等で色々手を打ちやすいですが厨房はそう簡単に広がりません。その中で中心であるプリンと焼菓子が伸びてきた約4年ほど前からラックオーブンとスチームコンベクションを考えるようになりましたが、いかんせんスペースに余裕がない。オーブンの容量も足りなくなってきて女性スタッフが増えてきた事もあり作業性の改善も急務で悩んでいたところで、モバックショーで七洋さんの新型スチームラックオーブンを見たのです。まだコンセプト段階でしたが、1台でスチコンとラックオーブンの機能を持っていることは魅力でした。

「ラックオーブンZEN」のパワーによる焼菓子の生産能力とレベルUP。10枚という差数も丁度良く女性でも無理なく使えるサイズ。製品化は先と言われましたが早く店に入れたくてかなり七洋さんに納期をプッシュしました（笑）≪思い出します･･･竹内≫。試焼きも含め時間は掛かりましたが厨房改装と合わせて2007年11月に1号機として導入して頂きました。
導入に際してまず「電気」である事で設置場所に困らなかったのは助かりましたね。「ガス」仕様は燃焼という性格上給排気に場所を合わせないとなりませんし電気の場合そのリスクは低くなり、理想の場所に設置出来たのが良かったです。
1号機との事で当初不安もありましたが、全くの杞憂でした（笑）。まずラックオーブンとしての機能は焼成量もそうですが焼成レベル、焼成の安定性が他社の平窯と比べて格段に良い。その上回転式なので焼ムラもなくクッキー類が短時間で理想どおり上がるのが有難いですね。ラックオーブンでは当然かもしれませんが、ここにスチーム機能の応用が利くのがこれまでのオーブンにはない部分です。最初はプリンを中心に焼菓子を追っかけで使おうと思ってましたが、あまりにもロスなく効率よく焼けるので、今では以下の商品でフル活躍しています。

(1)焼プリン・なめらかボトルプリン
(2)フィナンシェ×2種類
(3)ダックワーズ×2種類
(4)フリアン
(5)リーフパイ
(6)焼ドーナッツ
(7)クッキー
(8)ゼリー殺菌

プリンとゼリー殺菌は湯煎の手間がなく、女の子でも無理なく焼成出来て作業効率が良い。時間にして80個のビンプリンで20分弱。半熟具合を如何にキワどい位置で止めるか、という事がこの窯なら出来る。固定窯ではまず無理です。焼菓子でのフィナンシェ・フリアン・焼ドーナツなどは、少しづつ10?20％の高圧蒸気を加えて焼く、即ち生地に外から水分を与えながら中の余分な水分を抜きながら焼くので、しっとり柔らかく焼く事が出来るんです。クッキーもZEN本来のパワーでサクッと香ばしく焼ける。繁忙期は平窯の前でほぼ1日張り付かなければならなかったのが今ではその半分位の時間で終わるし、スタッフ皆がこの性能を使えるのが大きいです。
この「スチームラックオーブンZEN」の特徴は、一言で言うと「こんな事もあんな事も出来る」事ではないでしょうか？1台でこれだけの高機能を作り手の思いのまま使う事が出来るオーブンに私は初めて出会いました。しかもまだまだ未開拓な部分も沢山ある。将来性を秘めたオーブンだと思いますしスチームラックオーブンZENは価格以上の価値が絶対にあります。導入時からこれまでも色々言ってきましたが（笑）、今ではウチにはないと困る（笑）オーブンになりました。
これから強化したい商品は「焼ドーナッツ」です。既に関西でも認知度が高くなってきてますが、現在秋口の本格展開に向けて準備している所です。私はこの「焼ドーナッツ」をシュー、プリン、生キャラメルに続くおやつの定番に育てたいと考えています。この「焼ドーナッツ」はスチームラックとの相性が実にいい。おやつだからこそ高品質を安定して生み出す事が大事ですので、頼りにしています。厳しい環境が続いてますが、何事も前向きに考え、お客様に来て頂ける店を更に磨いて行きます。七洋さんの提案にも期待をしてますので、今後も力を貸してください。