
岐阜県岐阜市
株式会社 緑水庵
電話 058-241-8811(芥見店)
- ナンバンによりフレッシュ感を演出
伸光製菓株式会社の販売先である、「和菓子処 緑水庵」。岐阜市内を中心に現在5店舗。岐阜銘菓の枝豆まんじゅう、鮎菓子、餅や大福など四季の風情を和菓子に託され販売されております。
倉掛 今回、芥見店にて他店舗にはない店内でお菓子の製造・販売をおこなうことになったきっかけについて、まずはお伺いします。
藤吉 工場では、もともとバッケンを使っていました。七洋さんが出しているナンバンプレスを読み、たくさんの店が進化しているのにはいつも驚かされていました。だいたいはいつもそこまでで、実際に見に行くことはなかなかしませんでした。しかし、本当の情報は自分で確認することだと改めて思い、まずは名古屋営業所のミニ展(講習会)に参加させていただきました。
お菓子の焼成も気になりましたが、それよりも鮮度の大切さや、これからの専門店に必要なこと、お店の改装前・後の映像を見せてもらい、七洋さんが持っているノウハウをもっともっと知りたいと感じました。講習会の中でお誘い頂いた「一緒に見に行きませんか?」、「オーナーと直接話してみませんか?」という言葉に惹かれました。会社に戻り、社員に内容を報告。しかし、社員はなかなかピンと来ませんでした。それでも七洋さんと一緒に見に行くことが一番だと思い、一緒に九州に行くことにしました。
- 焼け行くお菓子の姿をお客様へアピール
-
店舗のアクセントになる
ナンバンWINエボリューションタイプ
- 密閉性が高く作業しやすい
倉掛 実際に、ご自分の目で見られ、オーナーとお話しされてどのように感じましたか?
藤吉 結論から言いますと、本当に行ってよかったですね。和菓子屋、洋菓子屋、いろんなパターンのお店を見て、オーナー様と話すことによって、実際に弊社には何が足りていないのか。なぜ次から次へとお客さんが来店するのかを、全身で感じることができました。和菓子屋はこうでないといけないとか、勝手な自己都合と思い込みの部分でお店を構えているのだと、思い知らされました。そのときのニーズにあったお店づくり、商品提案、そしてその状況に対応できる人など…。行って見ないとわからないことだらけ。大収穫でした。
九州から岐阜へ戻る途中で、うちの店ならどの店でやるか考えていました。
ただ、誰がやるか。次の日、社員にお菓子(ロールケーキ)を作ってみたい人と尋ねると、反応があり、すぐに決定しました。しかし、洋菓子作りは初心者。七洋さんに相談すると名古屋営業所で南蛮塾があるから大丈夫です。と言われ、お任せすることにしました。
倉掛 芥見店はどのようなお店でしょうか?
藤吉 芥見店は1991年に開店し、売場は約40坪です。本店もどの店舗もどんと構えた造りで、敷居の高いイメージの店舗です。以前まではそれがよかったと思っていました。しかし何かやるにしてもプチ改装もやりにくく、困りました。
倉掛 芥見店の店内の一画に設けた新たな厨房。そこにはレモン色の2枚差3段のスルーオーブン。こちらで、どういった商品を焼成されていますか?
藤吉 通常はロールケーキとカステラです。イベントによっては他の商品も焼成しています。
長良川ロールの長良川とは、岐阜県を代表する一級河川であり、鵜飼や花火大会が行われています。この地域をもっとたくさんの方に知ってもらい、地元の人でもこの街を愛してほしいと思い、長良川ロールと命名しました。
- 人気の長良川ロール
- ショーケースには和菓子が並ぶ
倉掛 実際、和菓子屋のお店の中に、ロール屋ができたような感じですが、お客さんの反応はいかがでしたでしょうか?
藤吉 はい。私たちの課題でもあった、若者にも入りやすいお店。鮮度のアピール。この課題ができたと思います。お店に来ていただいた方すべてに、椅子に座ってもらいロールケーキの試食をしていただいています。今まで和菓子を購入されていた方にも好評です。和菓子とロール、ロールとカステラなど、買い方はそれぞれですが、若者の方にも和菓子のことを知ってもらいたい思いが一番です。和菓子づくりは、日本の食文化の技術や精神を後世に継承していく役目があります。お米や小豆はもとより、日本独特の農産物などを使い、昔ながらの手法により、変わらぬ美味しさを皆様にご提供していく務めがございます。
倉掛 このような仕掛けをすることにより、売上はどのようになりましたか?
藤吉 芥見店は開店してから約20年になりますが、今回新たなお客様が増えたこともあって、前年よりも3割弱伸びています。ともに他の店舗も伸びています。盆には長良川ロールは一日130 本ほど販売することが出来ました。
倉掛 この不景気の中、順調に伸びていることは本当に凄いですね。更なる発展のため、これから、藤吉社長がお考えになっていることは何でしょうか?
藤吉 やはり、全体としてはこの岐阜のお菓子をアピールし、後世に継承していくことです。
そのためにも、お店も商品も変化し続け、鮮度を出せる和菓子屋として、生き残っていきたいと思います。
倉掛 これから先も、やるべきことがたくさんございます。私自身も時代を先どれる人間になっていきたいと思います。本日はありがとうございました。
取材後記

取材
(株)七洋製作所 営業
倉掛 智弘