パティスリー ラ・ローズ・ジャポネ

伝統ある神社の境内に移転オープン

吉安 今回移転オープンしたお店のコンセプトなどがあれば教えていただけますでしょうか。
五十嵐 お店は亀有香取神社の中にあります。現在は工事中ですが、隣には広場ができる予定です。お店の前面がガラス張りなので、外からも中の様子がすべて見えるようになっています。店の雰囲気やスタッフの活気、お菓子の匂いを感じていただき、居心地の良い空間を作り出せるようにしています。神社の中にあるお店ですので、お店の造りは門前町を思わせるようにして、神社とのコントラストをいかしたイメージにしています。

移転とともに「ECOバッケン」を導入

吉安 お店の移転にあたって、新たに「ECOバッケン」を導入していただきました。使用してみてのご感想をうかがってもよろしいでしょうか?

五十嵐 ホテル西洋銀座、マンダリンオリエンタル東京に勤めていた頃に「バッケン」を使用していたので、もともと「バッケン」のクオリティーの高さと使い方は良く知っていました。「ECOバッケン」も密閉度が高いので、お菓子を焼成する時の熱の入りと窯伸びが良くて、電力を節約しながら「バッケン」と同じように使えます。
私にとってお菓子を作る、焼成することは、〝好きなことをする〟という楽しさの延長線上にあります。気持ちの中に常に遊び心を持って仕事をする。それが大事だと思っています。

それに自分が楽しむことで、スタッフも楽しめます。「バッケン」のようなオーブンや機械は、私たちの職場の輪の中にあります。私自身が機械をもっとおもしろがることで、すべてが調和されて、良い雰囲気を作り出すと考えているのです。
特に「バッケン」は、「バッケン」でしか焼成できない領域があります。ですからものを焼く時は〝自分がオーブンの性能を引き出せるかどうかの戦い〟でもあり、その勝負が何よりも楽しい〝至福の時間〟なんです。

吉安 ありがとうございます。五十嵐オーナーの焼成に対する考え方がどのようなものかがとても良く分かりました。
また、スタッフの方たちからも作業中に窯の出し入れを行う際、軍手を着けていてもタッチパネルを操作できるのがとても使いやすいという意見もいただけました。

進化を続ける店舗

吉安 今後のお店の展望などありましたらお聞かせいただけますか?

五十嵐 今後は、まずスタッフの人数を増やすことを考えています。それから、現在のカフェスペースもさまざまなアイデアとともに変化させて、よりお客様に楽しんでいただける環境をご提供したいですね。
スタッフとともに、さらに精進を続けていきたいと思います。

洋菓子館 ベルジェノア

オープンから今現在までについて谷村チーフに詳しくお伺いいたしました。

オープンからリニューアルについて

谷村 両親と親族がもともと京都市内で洋菓子店を営んでおりましたが、父親が60歳になることを機に、親族にお店を譲り、当時サラリーマンだった私が両親と共に亀岡市に店を新規オープンさせたのが始まりです。
幼少の頃より両親の姿は見ておりましたが菓子業界のことは全くわかりませんでした。しかし学生時代から社会人に至るまで自分の好きな道を歩ませてもらっていたので家業を継ぐことで両親に少しは恩を返せるのでは…、という気持ちと向上心の強い性格も重なり、両親と一緒に菓子製造販売の仕事をする決意をし、2003年10月、オープンすることとなりました。
多くの方から助けをいただき、狭い厨房、狭い売場でしたが無事に開店いたしました。あの頃の私は、技術を身に付けることが精一杯で、周りのことがほとんど見えていませんでした。しかし、日を追うごとに一つ一つできることが増えていき、作業効率を求め、新商品についても考えていけるようになってきました。オープンしてから10年の間に環境面でも様々な変化がありましたが、タイミングよく隣の物件を譲っていただける話をいただきました。家族会議をおこなった結果、お店を改築して広げていく方向になりました。お店はとても手狭だったため、これを機に売場、厨房をもっと広く、よくしていきたいと強く思うようになってきました。

七洋製作所との出会い、そしてスチームラックオーブンZENについて

谷村 以前七洋製作所の講習会に参加させていただく機会がありました。「バッケン」や「スチームラックオーブンZEN」など、こんなに使い手のことを考えて作られたオーブンがあることを初めて気づかされました。その時に「バッケン」や「スチームラックオーブンZEN」で焼いたスポンジや焼菓子などの浮きの力や安定性の違いにはとても驚きました。また、「スチームラックオーブンZEN」で焼いたプリンは絶妙でした。いつかは、自分でも使ってみたいと思っていましたが、まだ先だなと感じていました。
そんな矢先に、七洋の倉掛さんからお店見学をしてみないかと誘いがありました。お店の正月代休を利用し、これからの自分たちのお店のことを真剣に考えるよいチャンスと思い、私たち夫婦そろって九州の店舗見学にいくことを決めました。
繁盛されているお店のオーナー様とお話しすることで、自分たちに足りないことが見えてきましたし、オーナー様がどんな悩みをお持ちで、それにどう対処されているか、もちろんお菓子についても事細かくお伺いすることができました。朝から晩まで私たちは倉掛さんに本気で気持ちを伝え、倉掛さんも真剣に向き合っていただいた貴重な2日間は今でも鮮明に記憶しております。
九州から京都へ戻る途中、「バッケン」や「スチームラックオーブンZEN」を使いたいという気持ちが増していましたが、いきなり両親に話しても必ず反対されるのはわかっていました。そこで「スチームラックオーブンZEN」でマドレーヌ、フィナンシェなどの焼菓子やプリン、蒸しショコラなどの焼成を見たことを思い出し、今お店で出している看板商品のプリンや地元の粉を使った焼菓子をさらによいものにできること、そしてそれが他店との差別化につながること、さらに焼成レベルと効率も上がること、こうしたことが自分の中で具体的に描くことができたので、両親に「スチームラックオーブンZEN」を導入したいと相談しました。しかし反対されてしまいました…。
そこで、もう一度夫婦で話をし、両親に納得してもらえるようにオーブン導入活用計画書を作成し、導入目的や商品構成、5年間の展開をまとめてあげ、これからのベルジェノアのために必要なよい機械であると説得しました。その結果オープンして10年、このリニューアルの時に念願の「スチームラックオーブンZEN」を導入しました。

看板商品の一つである「つつじヶ丘夕焼けプリン」は焼成時間も短くなり、さらに食感もよくなり原価も抑えてさらに美味しくなりました。京都丹波産の米粉を使用した「京都丹波きぬひかりスイーツ」の焼菓子シリーズも「スチームラックオーブンZEN」のスチームのパワーで生地の中心まで火が通ることで安定した形と味の商品が完成しました。
今では、シュー、サブレ、ガレット、ブランデーケーキ、スイートポテト、マドレーヌ、フィナンシェ、フロランタンなど、かなり多くのお菓子を「スチームラックオーブンZEN」で焼成しています。作業効率はいいですし、ラックが回転することで焼きムラがありません。スチーム量や風量を調整できるので今までの感覚とは違ったこともできる、この世にはない新しいオーブンだと思います。現在は「スチームラックオーブンZEN」の稼働率が上がり、デッキオーブンでの生産より使用頻度が増してきております。

さらに焼菓子売場拡張、今から私たちがやるべきこと

谷村 昨年には、さらにお店の横の物件スペースが空いたため、焼菓子売場として拡張することにしました。少人数でやっているため、売り場を広げることはたくさんのデメリットもありますが、お客様がゆっくりと余裕を持って焼菓子を選んでいただける場と考え、広くしました。1枚65円からあるクッキーなど焼菓子は40種類ほどで、1,000円?10,000円までの焼菓子ギフトなど幅広くご提案させていただいております。売場が広くなった分、包装、ラッピングや箱詰めをし、すぐに売場に並べることができるようになって、さらに菓子が見やすく手に取りやすくなり、焼菓子の売上比率も伸びてきています。
売場、厨房でも多くの課題がありますが、今お店で頑張ってくれているスタッフがさらに愉しく、責任感のある菓子製造販売人になるために、スタッフに率先して新商品の提案をしてもらっています。「スチームラックオーブンZEN」を使うことにより焼成時間の短縮につながったこともありますし、スタッフみんなの意識が変わってきています。自分だけでやるのではなく、スタッフと一緒に盛り上げて一日一日を邁進できるようにしていきたいです。次の課題を克服するためにも、次に「バッケン」を一日も早く導入したいと思います。