《経歴》
ベーカリータマキ、日本パン技術研究所、京都センチュリーホテル、ドンクにて修行。
1996年パンのワールドカップともいえるパン職人が技術を競う「クープドゥモンド」に日本代表として出場、結果4位に入賞し世界に腕を認められた。
2001年2月、夫婦で「たま木亭」をオープン。
売場4坪、工場10坪。ハード系、ソフト系惣菜パンまで約70種類のパンが店頭に並び、常に店外にも列が絶えない人気店に。
2015年7月に移転（現店舗）。
売場15坪、工場25坪

オープンから大事にしていること

地元、京都府宇治市に開店してからたま木亭は、お客様はもちろんのこと業界の方、先輩や後輩、同志、従業員などたくさんの方に助けていただき、お陰様で今日を迎えております。今振り返ると、当初から妻と二人でいつもパンのことばかり考えていました。
美味しいと思えるパンは、食感、甘さ、口どけなど全てのバランスによって完成していきます。もちろん強力粉の種類で使い分けることで、そのパンの美味しさはかわってきます。
開店以来、ベースの仕込みは私一人で行っています。それはなぜかというとパンの出来栄えが大きく決まると考えているから、誰にも譲れないところです。常に変化していく時代だからこそ、今までの経験と新たな情報を取り入れ、たま木亭のパンがもっと美味しくなったとお客様に言ってもらえるように今でもパンの事を常に考えています。
たま木亭では月・火が店休日で火曜は仕込み日としていましたが、昨年より月・火・水は店休で水曜を仕込み日に変更しました。現在の労働環境の中で機械の進化は助かっていますが、それでも従業員への負担も大きく、思い切って完全週休２日にしています。私自身それで体力的、またパンのことを考える時間も増え良かったと思っています。休みが増えた分、売上が下がりますがどのようにしたら効率の良い生産ができるのか、きちんと利益を出すことができるのか意識しています。

たま木亭のパンについて

メインのアーチ状の商品棚には、人気の高い大きめのベーコンやじゃがいもが入ったパンシューやベーコンハース、カレーパンなど１つ１つのパンの表情がわかるように陳列しています。船型のケースにはフランスパンやロデブ、注文いただいてクリームをつめてお渡しするサクサクのクニャーネ、冷蔵ケースにはサンドイッチやクリームや生系のパン、全部で約１００種類のパンを見てお選びいただける明るい店内にしております。

パンオーブン SEVEN 誕生

パン屋では、１台でハード系からソフト系のパンすべてを焼成するのがほとんどです。フランスパンなどのハード系のパンは２６０℃前後の高温度帯で焼成、菓子パンなどのソフト系のパンは、１７０℃前後の低温度帯で焼成します。パンオーブンは炉床に石を使うことが多いためハード系のパンを高温で焼いた後、菓子パンを低温で焼く場合、炉床が冷めるまで随分と待たなくてはいけません。この待ち時間は生産性のない時間のロスなのです。そこで、時間を無駄にしない「急速炉床冷却機能COOL DOWN」を搭載していただきました。

このシステムは約15分で約50℃炉床を冷却してくれますから、時間のロスが少なくなり生産効率を一気に上げることが可能になりました。たま木亭では、高温度帯アイテムが6割、低温度帯アイテムが4割です。それも1日で何回も焼き上げる工程を組んでいるため、この「COOL DOWN」機能は重宝しています。これは今までどこにもない画期的な機能で長年窯を研究されている七洋さんだからこそ形にできたことだと思います。
またこのパンオ
ーブン「S
EVEN」は、断熱もしっかりされており密閉性が非常に高く生地浮きもよく、中でも代表的な食パンはしっとりとプルプルしたものに焼けるため、たくさんのファンが増えてきました。
さらに、１日１０
００回以上開け閉めする扉を軽く改良したり、昇降ピールの使いやすさであったり、たま木亭では６枚差４段の大きなオーブンで、４段は高さが非常に高くなるため高さをできる限り低くなるよう考えていただいたりと、私の要望を形にしていただきました。このような機械メーカーさんは初めてです。
「SEVEN」は焼成時間を効率化し時間のロスを減らし、パンの焼成レベルを上げることで付加価値を高める。こうして理想的な作業環境をつくりあげながら利益を生み出す。「SEVEN」はこれからのパンオーブンです。これからも応援しています。宜しくお願い致します。