高橋  幸せの丘様はオープンしてどれくらいになりますか。

岡田  昭和50年に座間でスタートしましたから、早いもので、もう、かれこれ32年になりますね。座間では、夫婦二人だけでやっていて、「一日10万円も売れればいい」くらいのつもりでした。1階が工場と店舗で10坪、2階に6畳が2間ある、そんなところからはじめました。そして、平成元年に厚木のほうにお店を移転して来ました。厚木でのスタートは、ここから100メートルくらい先の貸し店舗でやっていました。そして、平成7年にここに移りました。もう12年になりますね。

高橋  確か、厚木に移られて2年程して、バッケンを入れていただきました。それが私どもとお付き合いいただく始まりでした。そして、6年前に4段のレンガの614をさらに導入していただき、シュークリームで「作り立て」を仕掛けました。

岡田  そうでしたね。七洋さんに「ここがお店の死に場所です。」「全国を歩いてたくさんの店舗を見て来ているからわかります。」「そこにレンガを入れればお店に活気が出ます。」と言われてレンガを入れました。

高橋  実際にレンガを入れた後のシュークリームの売り上げはどのくらいでしたか。

岡田  一日、300個くらいですね。そして、何よりもそれに伴って客数が伸びました。お店に広がる甘い匂いと、目の前でシューにカスターをつめる作業を見て、新鮮さと美味しさをお客様に楽しんでいただけるようになりました。売り上げも、ここへ移転した時で年商8千万円くらい。そして、レンガを入れてからすぐに1億2千万円は行くようになりました。そこから5年で、今は1億8千万円くらいになりました。

高橋  そして、今回、私どもの「重器による改装提案」を採用していただきました。

岡田  レンガの導入の時もそうでしたが、次に何か仕掛けなくてはいけないと考えていましたからとてもタイムリーでした。お金をかけて、何となく小奇麗に改装するのではなく、「焼き菓子を売る」と言う強いコンセプトのもとに「マルシェ台」と「カラーバッケン」を導入することによって効果的な改装ができたと思います。

高橋  いかがですか、改装されて。

岡田  「綺麗になったね。」「広くなったね。」「かわいくなったね。」と、お客さんにとても喜んでいただいています。広さは同じなのですが、マルシェ台が明るいから店が広くなったように見えますよね。

高橋  確かにマルシェ台はその場所が明るくなりましたね。お店に入った瞬間に、「こんなにたくさんのお菓子を作っているの！」と叫びたくなるほど品数があるように見えます。

岡田  アントルメ、小物ケーキ、半生、焼き菓子、作り立て、それぞれを主役にしたいと考えました。お客様もわかりやすい。よそへ見に行って、売れている店はそれが明確になっています。大きな店ならやりやすいのでしょうけれど、うちのような15坪くらいの中途半端な広さの店では明確にしにくいし、やれているところは少ないですね。ですから、「マルシェ台」と「WIN」を導入した改装で、それをやってみようという挑戦する心が湧いてきたのです。それぞれの主役が引き立てあえば、お客様はより楽しくお菓子を選ぶことができます。

高橋  改装されたばかりですが、焼き菓子の売り上げはいかがでしょうか。

岡田  まだ、はっきりとつかめていませんが、10-15％くらいは確実に上がっています。この夏のお中元シーズンでどのくらい変わるかが楽しみです。焼き菓子の売り上げは本当に重要です。生菓子ばかりが売れても、忙しいばかりで追われてしまい、忙しいからと言うことで、また、人を入れなくてはいけない。人が増えると工場が狭くなる。結局、利益もそんなに上がらない。

高橋  その通りです。私どのも「重器による改装提案」は、まさに焼き菓子を売る改装提案であり、菓子店の経営を安定させることのできる提案なのです。

岡田  それに、普通の改装なら、時間とともに古くなり、最後には価値が無くなってしまいますが、「重器」は、移設もできるし、価値もなくならない。コストの面と効果の面、両面から考えて、こんなにコストパフォーマンスの良い改装があるものだと驚いています。本当に良い提案をいただきました。ありがとうございました。

※什器とは、日常使用する道具・器物類の総称です。菓子店においては、オーブンやショーケース等がそれにあたります。しかし、私ども七洋は、その什器を、あえて重器と呼んでいます。なぜならば、オーブンやマルシェ台は、まさに売上げに直結する重要な器材だからです。